ユマ ニチュード 本。 【認知症介護の本】優しさを伝える技術

ユマニチュード入門

ユマ ニチュード 本

ユマニチュードは、フランスで生まれ、その効果の高さから「まるで魔法」と称される介護技法です。 ユマニチュードの哲学では、ケアをするときに「人とは何だろう」と考え続けます。 人は、そこに一緒にいる誰かに『あなたは人間ですよ』と認められることによって、人として存在することができるのです。 「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの柱を軸にした「技術」で、相手を尊重したケアを実現します。 この連載では、ユマニチュードの考え方と具体的な実践方法を紹介します。 優しさを伝える技術 「あなたのことを大切に思っている」ことを伝えるための技術 「あなたのことを大切に思っています」ということを介護を受ける方が理解できるように伝えるために、ユマニチュードではケアをするときにはいつも、4つの柱・「見る」「話す」「触れる」「立つ」を用いて行います。 とくに目新しいことはないように思えますが、介護をするご家族が「見て、話して、触れる」とき、それは「自分がやりたいことをするために」行っていることがほとんどです。 たとえば、食事の介助をするときに口元を見たり、着替えてほしいときに「さあ、着替えますよ」と話しかけたり、体を洗うときに手首をつかんで腕を持ち上げたりしています。 これらの行動は食事、着替え、入浴、というような、いわば「作業」のための動作で、この動作に「あなたを大切に思っていますよ」というメッセージを見つけるのは困難です。 もちろん、食事をしたり、着替えをしたり、入浴をしたりすることは必要なことですが、これを単なる「作業」の時間にするのではなく、この時間を「あなたのことを大切に思っています」というメッセージで満たされた、コミュニケーションの機会であるととらえ、介護を受ける人とよい関係を結ぶ時間になっていくように心がけます。 大切な人を前にしたときに無意識に行っていること 実は、私たちは自分が大切だと思っている相手に対しては、ユマニチュードの4つの柱「見る」「話す」「触れる」「立つ」を無意識に行っています。 大切な存在の象徴として、赤ちゃんを例に挙げて考えてみます。 赤ちゃんを目の前にしたとき、誰もがその目をのぞき込んで、見つめながら「かわいいね」と話しかけ、両腕でしっかりと抱きかかえます。 これは人の自然な反応です。 同じように、生涯を通じて誰かとよい関係を結びたいと思うとき、人は無意識にこの行動をとっています。 たとえば大好きな恋人と過ごしているときのことを想像してみてください。 とても近い距離で見つめ合ったり、素敵な言葉をささやいたり、しっかりと触れ合ったりした経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。 介護を受けている人には、それを意識的に行う しかし、その対象が介護を受けるような脆弱で困難な状況にある方の場合には、このような行動を自然に行うことは誰にとっても難しいのです。 ここで「あなたのことを大切に思っています」というメッセージを届けるためには、 大切な人に対して自分が無意識に行っている行動を、意識的に行います。 つまり、「自分が大切だと思う人を自分はどう見ているか、話しかけているか、触れているか」を改めて振り返り、それを「技術」として実践することが必要になるのです。 気恥ずかしくても、思い切ってやってみる 私たちは、ご家族の介護をしていらっしゃる方々を対象にした講習会を開いています。 そこでは、とりわけ「見る」「話す」「触れる」技術についてじっくりとお伝えしています。 多くの方は、当初気恥ずかしくお感じになるようです。 しかし「これは相手とよい関係を結ぶための技術なのだ」とご自分に言い聞かせて、思い切ってやってみてください。 実際に2時間の講習会の中で、参加している方々がどんどん変わっていくことを私たちは毎回目の当たりにしています。 思い切ってやってみると、介護を受けている方からこれまで思いもよらなかった反応が返ってくるかもしれません。 これまでにないよい反応が返ってきたなら、それは相手とよい関係が築けた証拠です。 この本では、相手とよい関係を結び、ともによい時間を過ごすための基本的な考え方とその方法について、とりわけ認知症の方への介護を中心にお伝えしていきます。

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介護職の方必見!認知症ケアで実践できる「ユマニチュード」とは?

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この記事はこんな方におすすめ ・スタッフと良好な信頼関係を築きたい! ・相手の想いを大切にしたい! ・関係を大切にする雰囲気を作りたい! 読む時間:5分 今回のテーマは ユマニチュードです。 ユマニチュードはフランスで生まれた認知症ケアです。 そして2025年には認知症の患者数が700万人になることが予測されています。 日本は急激に高齢化が進んだため、高齢者をケアする仕組みがまだまだツギハギ。 この点ヨーロッパは、計画的に高齢化をコントロールしてきましたので、高齢者へのケアが充実しています。 そこで生まれたケアがユマニチュード。 一時期日本でも話題になりましたね。 ご存知の方もおられるかもしれません。 ではこのユマニチュードから私たちは何を学べるのでしょうか。 それは、 人間関係を作るヒントです。 ・スタッフと信頼関係が築けない ・どうやってスタッフに接していいかわからない ・世代の違いを埋めることができない そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。 組織は人です。 マニュアルや社内制度といった仕組みも必要ですが、生産性の高い仕事をするためには、やはり 社員同士の信頼関係が不可欠となります。 ですから 信頼関係がなければ、 良い仕事は生まれません。 そのためのヒントをユマニチュードから学びましょう! まずユマニチュードはケアの中心をどこに置いているのか。 ケアをする人とされる人のどちらなのか。 多くの場合は、ケアをされる人(健康に問題がある人)ではないでしょうか。 これを社員間に応用すれば、上司ではなく部下に注目する。 でもユマニチュードは違います。 ユマニチュードが注目するのは、 「関係性」です。 つまりその人と自分との 人間的な関わりです。 だから何をするのかの前に、自分と相手との間に どのような人間的な関係を築くのかに焦点を当てています。 だからこそ、ユマニチュードは、 あなたを大事に思っているということを相手が理解できる形で伝える技術と言えます。 相手が理解できる形で伝える技術。 胸に刺さりますね。 ではその方法について具体的に見ていきましょう! ユマニチュードでは、「見る」・「話す」・「触れる」・「立つ」を大切にしています。 「触れる」はセクハラになるかもしれませんし、「立つ」は問題ありませんので、ここでは「見る」と「話す」について解説します。 まず「見る」。 見るポイントは 水平な視線です。 寝たきりになると、ベッドで寝ている人は、ベッドのそばに立っている人を見上げます。 これは垂直的な視線です。 天井しか見えませんので、当然ながら視野が狭い。 上司や先輩は社内では上、部下や若いスタッフは下と言う位置付けが一般的です。 だからと言って垂直的な視線を向けてはいませんか?相手も人間であり、成長することができる貴重な存在です。 もしかすると将来は自分よりも価値のある仕事ができるようになっているかもしれません。 だからこそ、敬意を払う存在なのですね。 水平な視線を向けましょう。 と、書きながら私自身にも言い聞かせております…。 次に「話す」。 赤ちゃんに強い口調を使う人はいません。 愛情を表現する話し方をします。 全く同じである必要はありませんが、そのような気持ちで話すことが大切です。 相手を大切に思っている時にはどんな言葉になるのか。 当然ながら、 ポジティブな言葉ですね!また反応が乏しい人に対しては、話しかけなくなります。 そんな時に有効なのは、お願いです。 お願いは、相手がいなければ成立しません。 相手との共同作業になります。 そして相手が引き受けてくれたら、必ずありがとうといった ポジティブな言葉を使う。 ユマニチュードは、 あなたを大事に思っているということを相手が理解できる形で伝える技術です。 とても考えさせられますね。 相手が認知症の方だからこそ、どうすればこちらの思いを伝え、良好な関係を築くことができるのか。 ものすごく勉強になります。 私は理学療法士としては、10,000人を超える患者さんの治療経験をしました。 患者さんは非常に弱い立場になります。 そんな中、どのようにして良好な関係を築き、そして自発的な動きを促していくのか。 これは職場内でも見られる関係性です。 上司や先輩といった強い立場の人と、わからないことが多く不安な後輩や新人。 強い言葉や態度、相手がわからない専門用語で言いくるめることは簡単です。 しかしその先に良好な関係はありません。 後輩や新人が可能性を伸ばし、自発的に動かなければ、組織や企業の発展はありません。 今回のユマニチュードから、多くのことを教えられますね。 まとめ: ・自分と相手との関係に注目する ・水平な視線を保つ ・ポジティブな言葉をかける 本内容は、参考資料を元に考察したものです。 そのためあくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。 PROFILE 九州大学大学院医療経営・管理学専攻。 ヘルスケア領域における経営資源の統合(組織作り)、マーケティング、財務分析が専門。 脳科学や心理学をベースにした科学的な知見をわかりやすくビジネスに応用するセミナーも定評がある。 趣味は勉強・ロールプレイングゲーム・熱いマンガ。 趣味に没頭して、アウトプットを疎かにすることが多々ある。

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【認知症介護の本】優しさを伝える技術

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ユマニチュードは、フランスで生まれ、その効果の高さから「まるで魔法」と称される介護技法です。 ユマニチュードの哲学では、ケアをするときに「人とは何だろう」と考え続けます。 人は、そこに一緒にいる誰かに『あなたは人間ですよ』と認められることによって、人として存在することができるのです。 「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの柱を軸にした「技術」で、相手を尊重したケアを実現します。 この連載では、ユマニチュードの考え方と具体的な実践方法を紹介します。 自分で身のまわりのことができなくなり、一緒に暮らしているご家族がお世話をするとき、それは介護と呼ばれます。 介護を受けているのはご高齢の方ばかりではありません。 進行したがんや、日常的に人工呼吸器などの医療機器が必要なとき、精神的な病気があったり、事故などで体がご不自由になった方、また先天性の病気のあるお子さんなど、さまざまな理由で自宅で介護を受けている方々がいらっしゃいます。 最近介護をしているご家族から、「介護に困っている」とご相談を受けることが増えてきました。 介護がうまくいかないとき、その理由は、介護をしている方の優しさとはあまり関係はありません。 ご本人のためによかれと思って行っている介護が受け入れてもらえないとき、それはその「届け方」に問題があることが多いのです。 介護には「うまく届けるための方法」があり、その「届け方」を学ぶことで、お困りになっている状況が解決する可能性があります。 この本はその「届け方」をお伝えするためにつくりました。 「ユマニチュード」は、フランスの体育学の専門家イヴ・ジネストとロゼット・マレスコッティが考案したケアの技法です。 二人は医療や介護の専門職員の腰痛を予防するために力を貸してほしいとフランス政府の依頼を受け、この分野での仕事を始めました。 しかし、それだけにとどまらず、病院や介護施設で起きているケアが困難な状況の解決に40年間取り組み続け、「なぜ、このときはケアがうまくいかなかったのか」、「なぜ、今回はうまくいったのか」と思索をめぐらせながらケアの技術を開発してきました。 そして、ケアの現場から生まれた技術をもとに、ユマニチュードの哲学が誕生しました。 ユマニチュードとは「人間らしさを取り戻す」という意味のフランス語の造語です。 そしてユマニチュードの哲学では、ケアをするときに「人とは何だろう」と考え続けます。 人間にとって「自由であること」や「他者に優しくあること」は大切であると多くの人が考えている一方で、家庭や施設、病院などの介護や医療の現場では、ご本人のためと思って一生懸命やっていることが、結果的に無理やり行う強制的なケアになってしまったり、痛みを伴うケアになってしまったりしています。 何かが強制的に行われるとき、そこに自由はありません。 ケアによって痛みが引き起こされてしまっては、介護を受けている方が優しさを感じることは困難です。 つまり、私たちが「大切だと思っていること」と、「実際にケアの場で行っていること」が矛盾しているのです。 たとえ、生活に誰かの助けを借りるようになっても、「自分が自由な存在であること」、「生活に優しさがあふれる状態にすること」を実現するためには、どうしたらよいかをユマニチュードでは考え続けてきました。 そして、ユマニチュードの哲学では、「人とは何だろう」と考えるとき、 「人は、そこに一緒にいる誰かに『あなたは人間ですよ』と認められることによって、人として存在することができる」と定義しました。 もちろん、「あなたは人間ですよ」とわざわざ相手に言う人はいません。 そのかわりに、人は人間特有の4つの行動科学的コミュニケーションを通じてそれを相手に伝えています。 ユマニチュードではそれを 「4つの柱」と名付けました。 そして、すべてのケアをこの4つの柱を使ったコミュニケーションを用いて行います。 さらに、ケアをするにあたって一つの手順を提案し、これを 「ケアの5つのステップ」と呼んでいます。 いずれもこの本の中で具体的なやり方をご紹介します。 介護で困った状況になったとき、ユマニチュードの考え方と技術を用いることで劇的な変化が生じることがあり、「魔法のような」と評されることもあります。 しかし、ユマニチュードは魔法ではありません。 どなたでも学び、実践することができます。 その一方で、技術だけを学んでもうまくはいきません。 どの技術を、どのように選び、どのように組み合わせるかを決めるときに、「人とは何だろう」、「ここで大切なことは何だろう」、「何を優先しようか」と考えるよりどころとなるのが、ケアの哲学です。 「哲学」を学び、「技術」を身につけて、介護を受けているご本人とよい関係を結び、「優しさを届ける」ことがユマニチュードの目的です。 ユマニチュードは介護を受けるすべての方々を対象としますが、この本では、とりわけ認知機能が低下している方への介護の方法について詳しく紹介しています。 ご家族の介護をしている方のお役に立つことができればうれしく思います。 本田美和子 【単行本好評発売中!】.

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