サリドマイド 薬害。 サリドマイド薬害事件とは?

三大薬害事件の1つ「サリドマイド事件」から学ぶ教訓とは?【薬剤師がわかりやすく解説するよ】

サリドマイド 薬害

サレド(サリドマイド)の作用機序:多発性骨髄腫治療薬 血液がんの1つとして多発性骨髄腫が知られています。 血液は骨髄で作られますが、骨髄細胞のがん化によって血液がんが引き起こされます。 血液がんとして白血病が有名ですが、同じ血液がんの中でも多くの種類があります。 そこで、多発性骨髄腫を治療するために用いられる薬として サリドマイド(商品名:サレド)があります。 サリドマイドはハンセン病に伴う皮疹(らい性結節性紅斑)の治療薬として用いられることもあります。 サリドマイド(商品名:サレド)の作用機序 多発性骨髄腫やらい性結節性紅斑を治療するサリドマイド(商品名:サレド)の作用機序は完全に解明されていません。 ただ、そのメカニズムとしては以下のようなことが確認されています。 ・血管新生抑制作用 がん細胞は無秩序な増殖を行うことで知られています。 増殖速度が速いため、その分だけ多くの栄養を必要とします。 そこで、がん細胞は新たな血管を作ることで、自分のところへ効率よく栄養を取り入れようとします。 「新しい血管を作る因子」として VEGFと呼ばれる物質が知られており、これらの物質の作用をサリドマイド(商品名:サレド)が阻害します。 その結果、血管が作られなくなることで、がん細胞の成長を抑制することができます。 ・サイトカイン産生抑制作用 細胞増殖を行うため、がん細胞は細胞間で情報伝達のやり取りを行っています。 この情報伝達を行う物質にサイトカインと呼ばれるものが知られています。 そこで サイトカインの働きを阻害すれば、がん細胞同士で行われている情報伝達を抑えることができるようになります。 サリドマイド(商品名:サレド)はさまざまなサイトカインの働きを抑える作用を有しており、これによってがん細胞の成長を抑制します。 また、サイトカインは炎症を引き起こす作用を有しています。 炎症性サイトカインとも呼ばれますが、この作用を抑えることでハンセン病による皮疹を軽減します。 ・免疫調節作用 普段、何げなく生活している中でもがん細胞が発生しています。 しかし、すぐにがんを発症することはありません。 これは、がん細胞を私たちの免疫機能が発見したとき、スムーズに細胞死へと導くからです。 サリドマイド(商品名:サレド)を投与すると、キラー細胞など、がん細胞の殺傷に関わる免疫細胞が増えることが報告されています。 また、サリドマイド(商品名:サレド)の投与によって、がん細胞の細胞死が誘導されることも明らかになっています。 このように、多彩な作用によって多発性骨髄腫やらい性結節性紅斑を治療する薬がサリドマイド(商品名:サレド)です。 サリドマイド(商品名:サレド)の特徴 薬害事件として有名な「サリドマイド事件」を引き起こした薬がサリドマイドです。 サリドマイドを妊婦が服用することで、生まれてくる子供に奇形が生じたという事件です。 サリドマイド事件のあと、一旦は市場から姿を消しました。 しかし、多発性骨髄腫やらい性結節性紅斑に対する治療効果が明らかとなり、サリドマイドの復活を望む患者さんの声が増えていきました。 そこで、厳しい流通制限がかけられてはいますが、現在では有効な治療薬として復活しています。 なお、サリドマイド(商品名:サレド)はその他さまざまな疾患に効果があるとされています。 例えば、「 エイズウイルスの増殖抑制」や「 糖尿病性網膜症と黄斑変性症の予防」などです。 1つの薬が多くの作用を有するため、その治療効果も多彩なのです。 多発性骨髄腫の治療では、すべての患者さんで副作用が確認されています。 主な副作用としては眠気、便秘、口内乾燥などが知られています。 なお、当然ですが「妊婦又は妊娠する可能性のある方」への投与は禁止されています。 このような特徴により、一度は市場から消えたものの、有効な治療薬として再び復活を遂げた薬がサリドマイド(商品名:サレド)です。

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サリドマイド事件の概要|日本とドイツの和解/原因/被害者

サリドマイド 薬害

サレド(サリドマイド)の作用機序:多発性骨髄腫治療薬 血液がんの1つとして多発性骨髄腫が知られています。 血液は骨髄で作られますが、骨髄細胞のがん化によって血液がんが引き起こされます。 血液がんとして白血病が有名ですが、同じ血液がんの中でも多くの種類があります。 そこで、多発性骨髄腫を治療するために用いられる薬として サリドマイド(商品名:サレド)があります。 サリドマイドはハンセン病に伴う皮疹(らい性結節性紅斑)の治療薬として用いられることもあります。 サリドマイド(商品名:サレド)の作用機序 多発性骨髄腫やらい性結節性紅斑を治療するサリドマイド(商品名:サレド)の作用機序は完全に解明されていません。 ただ、そのメカニズムとしては以下のようなことが確認されています。 ・血管新生抑制作用 がん細胞は無秩序な増殖を行うことで知られています。 増殖速度が速いため、その分だけ多くの栄養を必要とします。 そこで、がん細胞は新たな血管を作ることで、自分のところへ効率よく栄養を取り入れようとします。 「新しい血管を作る因子」として VEGFと呼ばれる物質が知られており、これらの物質の作用をサリドマイド(商品名:サレド)が阻害します。 その結果、血管が作られなくなることで、がん細胞の成長を抑制することができます。 ・サイトカイン産生抑制作用 細胞増殖を行うため、がん細胞は細胞間で情報伝達のやり取りを行っています。 この情報伝達を行う物質にサイトカインと呼ばれるものが知られています。 そこで サイトカインの働きを阻害すれば、がん細胞同士で行われている情報伝達を抑えることができるようになります。 サリドマイド(商品名:サレド)はさまざまなサイトカインの働きを抑える作用を有しており、これによってがん細胞の成長を抑制します。 また、サイトカインは炎症を引き起こす作用を有しています。 炎症性サイトカインとも呼ばれますが、この作用を抑えることでハンセン病による皮疹を軽減します。 ・免疫調節作用 普段、何げなく生活している中でもがん細胞が発生しています。 しかし、すぐにがんを発症することはありません。 これは、がん細胞を私たちの免疫機能が発見したとき、スムーズに細胞死へと導くからです。 サリドマイド(商品名:サレド)を投与すると、キラー細胞など、がん細胞の殺傷に関わる免疫細胞が増えることが報告されています。 また、サリドマイド(商品名:サレド)の投与によって、がん細胞の細胞死が誘導されることも明らかになっています。 このように、多彩な作用によって多発性骨髄腫やらい性結節性紅斑を治療する薬がサリドマイド(商品名:サレド)です。 サリドマイド(商品名:サレド)の特徴 薬害事件として有名な「サリドマイド事件」を引き起こした薬がサリドマイドです。 サリドマイドを妊婦が服用することで、生まれてくる子供に奇形が生じたという事件です。 サリドマイド事件のあと、一旦は市場から姿を消しました。 しかし、多発性骨髄腫やらい性結節性紅斑に対する治療効果が明らかとなり、サリドマイドの復活を望む患者さんの声が増えていきました。 そこで、厳しい流通制限がかけられてはいますが、現在では有効な治療薬として復活しています。 なお、サリドマイド(商品名:サレド)はその他さまざまな疾患に効果があるとされています。 例えば、「 エイズウイルスの増殖抑制」や「 糖尿病性網膜症と黄斑変性症の予防」などです。 1つの薬が多くの作用を有するため、その治療効果も多彩なのです。 多発性骨髄腫の治療では、すべての患者さんで副作用が確認されています。 主な副作用としては眠気、便秘、口内乾燥などが知られています。 なお、当然ですが「妊婦又は妊娠する可能性のある方」への投与は禁止されています。 このような特徴により、一度は市場から消えたものの、有効な治療薬として再び復活を遂げた薬がサリドマイド(商品名:サレド)です。

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サリドマイド薬害、仕組み解明 血液がん新薬開発に期待:朝日新聞デジタル

サリドマイド 薬害

今日の授業ではサリドマイドの薬害事件について扱いました。 サリドマイド事件は私たちが考えなくてはならない重要な事件です。 日本国内で起きた薬害事象として非常に有名であり、二度と同じような事件を起こしてはならないとされています。 現在でも被害者の方が生きており、生活上、精神面上で様々な支障があるようです。 私が薬学関係者として生きていくために、サリドマイド事件についてまとめました。 サリドマイド事件の概要 皆さんはサリドマイドという薬について知っていますか。 サリドマイドは1957年にドイツの製薬会社グリュネンタール社によってはじめて合成され、コルテガンという薬で販売され始めました。 この薬は、睡眠薬、精神安定薬であり、薬効発現時間が短く効き目も良いことからすぐに普及し、国内、欧米、世界へと広まり日本にも開発方法が伝わっています。 この薬は妊婦のつわりに対しても用いられ、医師の処方箋をもらわずに手に入れることができるため、より多くの人に広まっていきました。 妊娠中には耐えがたい激痛に襲われ、夜にしっかりと眠ることができないという女性が多かったようです。 日本では1年後に大日本製薬が独自にサリドマイド製剤の合成方法を開発し、イソミンという名前で販売を始めました。 当時の日本では、 海外で普及している薬は安全検査をしなくても使って大丈夫であるという風潮があったため、そのまま新薬として認定されてしまっていました。 今から考えると、臨床試験をしていない薬をそのまま販売してしまうということがどれほど危険であるか想像できます。 ほんの60年前にはそれがまかり通っていたと考えると非常に恐ろしいですね。 サリドマイドの自主回収 1961年、ドイツのレンツという学者がサリドマイドの催奇性を報告しました。 コルテガンとして発売されてから4年後のことです。 これにより グリュネンタール社はすぐにコルテガンを回収し始め、世界でも自主回収の流れが広まりました。 しかし、日本では、サリドマイドと催奇性の直接的な関連性を調査するのに時間がかかり、さらには市場に出回るサリドマイド製剤を回収するのが遅れてしまっています。 また、当時の日本では、服用者に対しての情報提供が不十分であり、回収の知らせが届くのが遅れたため、さらに大きな被害を引き起こしました。 もっと日本政府や製薬企業の対応が早ければ被害を小さくできたかもしれないのにと強く思います。 サリドマイドの被害 サリドマイド製剤を服用していた妊婦から生まれた胎児には様々な障害がみられました。 例としては、 手足が奇形になったり、体内の臓器の配置が変形してしまったり、難聴などの障害がみられました。 また、外見からではサリドマイドの薬害と判断できない人々は薬害被害者としての認定が遅れたり、他者とうまく人間関係が作れなかったりという二次的な被害を受けたそうです。 今後の薬学従事者が考えなくてはならないこと 私たちが考えておかなくてはならないことは2つの視点があると思います。 薬を合成する者 薬を検査する者 薬物合成 合成する段階ではラセミ体を避け単一の立体にすることが必要であると考えられ、サリドマイドのように合成段階では予測できない副作用の原因を作らないような合成ルートを計画することが必要であると考えられます。 もちろん、ラセミ体を避けるルートを考えることは、ルートが長くなってしまったり、コストがかかることが考えられますが、人の命には代えられないということを意識して、より良いルート開発を目指すべきであると思います。 薬物監査 また、薬を検査する者の立場では、海外で売られているからその安全は保障済みであるという安易な発想をせずに、毒性検査、動物検査、動態検査などを行うことが必要です。 また日本国内で販売されている薬に対しても一定の期間ごとに検査を行い、新たな副作用は出ていないかを確認することも必要であると思います。 まとめ 今回はサリドマイドの薬物被害についての課題を考えてきました。 もちろん、私一人だけではどうすることもできませんが、この記事を書くことで少しでも薬害に関する知識が広まれば嬉しいです。 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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