女帝 小池 百合子。 都知事選の行方も左右? 評伝「女帝 小池百合子」 異例の15万部突破

カイロ大卒…学歴詐称疑惑の小池百合子、私が仰天した“嘘で塗り固められた政治家”の正体

女帝 小池 百合子

コロナに脅かされる首都・東京の命運を担う政治家・小池百合子。 女性初の都知事であり、次の総理候補との呼び声も高い。 しかし、われわれは、彼女のことをどれだけ知っているのだろうか。 「芦屋令嬢」育ち、謎多きカイロ時代、キャスターから政治の道へーー 常に「風」を巻き起こしながら、権力の頂点を目指す彼女。 今まで明かされることのなかったその数奇な半生を、 三年半の歳月を費やした綿密な取材のもと描き切る。 〔目次より〕 序章 平成の華 第一章 「芦屋令嬢」 第二章 カイロ大学への留学 第三章 虚飾の階段 第四章 政界のチアリーダー 第五章 大臣の椅子 第六章 復讐 第七章 イカロスの翼 終章 小池百合子という深淵 結論から言うと、非常に素晴らしい本だった。 制作に3年かかったと書いていたが、それくらいの時間と労力をかけて書かれただけの価値がある傑作である。 ちなみに、私は学生だったとき、1年半ほど、小池百合子事務所でインターンをしていた。 その時いろいろ思うことがあり、インターンをやめてからも小池氏については個人的に調べていた。 本書に書いてある小池氏の人間性、考え方などは、私の知る限り、実際の小池氏本人の姿にかなり近い。 見た目はよく、美人である。 弁舌さわやかで、PRも上手い。 チャンスを見極め勝負をかけるのも得意。 一見魅力的な人物にみえる。 ただ権力欲が異常に強すぎる。 あと豊洲問題やオリンピック問題で明らかな通り、組織を動かし政策を実現する実務能力は極端に低い この点は本書によく書かれているので割愛するが、無能といっても過言ではない。 アニメキャラに例えると銀河英雄伝説に出てくるトリューニヒトが近いと思う。 おそらく本物のサイコパスなのだろう。 政治家としてというより、人として重要な何かが、彼女は決定的に欠落していると思う。 個人的に印象に残ったのは、本書の後半に出てくる「謎の秘書」であるM氏の記述である。 彼は、私がインターンをしていたときに事務所にいた 本書で人柄や雰囲気が描かれている通りのような感じの人だった。 本書で書かれている通り、M氏がどういう人なのかは事務所内でも謎だった。 政治家事務所は情報の管理上、事務所に関わる人の経歴は、事務所内ではだいたい共有されていることが多い。 しかしM氏については秘書の人たちもほとんど知らなかった。 私とよく話してくれた秘書の方も「小池さんの親戚らしいけど、Mさんのことはよくわからないんだよね…」と言っていたのを覚えている。 本書でも、著者は彼が何者なのかかなり丹念に調べているが、突き止められていない。 個人的には、このあたりにいろいろ小池氏にまつわる何かカギがあるような気がしている。 ちなみに2009年の総選挙のとき、小池氏は小選挙区で落選している。 小池氏はこの時「秘書のせいで負けた」と勘違いしたのか、とにかく激怒した。 その結果、本書に書かれている通り、古くから献身的に仕えてきた秘書たちを、秘書本人には会わず、M氏を通した伝言という形で、ほぼ全員クビにしてしまった。 私が知る限り、この秘書の方々は(中には変な人もいたものの)、皆とても職務熱心で人柄もよい、真面目で善い人ばかりだった。 あのときは民主党に強い追い風が吹いており、小池氏が小選挙区で落選したのはどう見ても秘書のせいではなかった。 それをヒステリー起こして秘書のせいにし解雇するのは、筋違いだったと思う。 長年献身的に仕えた秘書をもゴミのように扱い切り捨てる小池氏の人間性を、私は深く軽蔑した。 なお、私自身は小池氏に特に何かをされたということもないし、個人的な恨みもない。 ただ、本書に書かれている通り、客観的に見て、彼女は政治家という国家の進路を任せる職務にふさわしい器ではないと思う。 可能なら、小池氏に対し、政治というものを本音ではどう思っているのか尋ねてみたい。 あわせて ・本当に国のためになりたい、国益を追求したいという気持ちで政治家をやってきたのか。 ・特にやりたいこともなく、ただ自分の虚栄心と功名心を満たし、政治的地位を向上させることだけが目的だったのか。 ・建設的で本質的なことをせず、PRとパフォーマンスばかり行い、政治をゲームや玩具のようにもてあそぶことに罪悪感はないのか。 ・もし本当に虚栄心と功名心だけを追い求めてきたのだとしたら、振り返って、それは虚しいことだったと思うことはないか。 などのことも聞いてみたいと思う。 長くなったが、東京都に住んでいる方は、どうか本書を読んでほしい。 とても良い本である。 小池百合子の本質にここまで迫った記事、本は無いと思います。 ノンフィクションを超えてます。 告発本ともいえます。 しかし、それは綿密な取材に裏打ちされたものです。 都知事という総理に次いで二番目と言われる権力者に対して恐れを抱きながらも書かれた著者の勇気に敬服します。 大袈裟な意味でなく命を賭して執筆されたと思います。 取材も細かく資料も膨大で浅い内容の週刊誌的な記事とは全く違います。 当たり前ですが… 読み進めて最初の方は、丁寧な取材を感じつつも著者の主観が強いなと思いましたが、それは逆に先述した綿密な取材に裏打ちされたものだと納得します。 引き込まれます。 小池都知事について政治に近いTVコメンテーターが「あの人はね…」とよく嘆息する、意味がとても分かります。 何となく今まで彼女に違和感を覚えていた人はそれは何故かがよく理解出来ます。 小池の恐ろしさが本当に分かります。 しかしそれを利用してきた政財界の要人たち、マスコミ、多くの人たちにも責任があります。 著者はそこも訴えています。 都知事選に併せて出したただの暴露本だと揶揄されそうですが、そんな三面記事的ものではないです。 これは警告だと思います。 本当に更に4年間この人に知事を任せて良いのか、その為に本に書かれている築地の人たちを始め多くの人たちをもっと不幸にしてしまうのではないか。 学歴詐称疑惑についてもこの本で多くのページが割かれていますが、学歴が政治家の実力とは関係ないと著者も認めています。 そのことが問題でなく嘘を重ねてその嘘を利用して今の地位や名声を手にしてきたこと、そういった人間のありようが問題なのだと指摘しています。 そして、嘘がいかに罪深いものであるか、周りの人を苦しめ、人生を歪ませるか… こんな小学生でも理解できるようなことを諭され、大の大人が恥ずかしく情けなく思います。 著者の石井さん、取材を受けられた小池とかつて同居していた方には改めて心から敬意を表します。 同居されていた方にも石井さんは語られていますが、どんなにか長年異国の地で恐怖を感じ良心の呵責に悩んでこられたか、察するに余りあります。 それでも、小池に本当の人生を歩んで欲しい、一緒にカイロ大学に通ってもいいと言ってくれる優しい友人が身近にいることを本人が気付くことはやはり難しいのか。 彼女の生い立ちや境遇が今を作ったとしても、だから他の人、本に書かれていた水俣病やアスベストに苦しんでいる人を更に悲しませて良いことにはならない。 読了した後、著者の言うように戦後の女性解放の結果がこの小池の躍進なのか、もしかしすると女性宰相へ繋がるのかと重く塞ぐ気持ちにはなったが、著者と取材された方の誠実さと勇気にまだ希望があると感じます。 まだ終わっていない、そう思いたいです。 出来れば、小池に違和感のない、寧ろこのコロナ対策で小池は頑張ってる、都のリーダーとしてふさわしいと思っている人たちにこの本を読んで欲しいです。 拙い乱文ですが、素人の感想でした。 3年半にも及ぶ緻密な取材と、カイロでの同居人女性の勇気ある証言に、小池氏本人はどう向き合うのだろうかと、読了後まず思ったが、この本の読者が飛躍的に増えてくれない限り、各メデイアの書評にも取り上げらず、 ワイドショーなども素通りであれば、やすやすと都知事選挙に圧勝するのであろう。 国内外を問わず現代の政治のリーダーの資質は虚言癖かサイコパスが多いことは実感しているが、 小池氏はさらに特筆すべき底知れない怖さを併せ持っていると思う。 ジジ殺しの才能で権力者に取り入ってきた成功体験は、今後どういう形で終焉を迎えるのか、 老境に差し掛かり、過去を恥じ入り後悔することはないのかを、小池氏本人に聞いてみたいところだ。 人類史に残るコロナ禍も、彼女にとっては好機到来で、大好物のメデイア露出と選挙キャンペーンを 楽しんでいるように思える。 著者の石井妙子氏の筆力、時系列に沿って冷静に証言を積み上げていく圧倒的な事実。 ノンフィクションの金字塔だと感服した。 一人でも多くの方に読んでいただきたいと切に願う。 ノンフィクション作家が、ある人物の評伝をなぜ書きたいと思うのか?「共感」が最も大きなモチベーションであろう。 著者のかつての作品、「おそめ」にも「原節子」にもそれは感じられた。 ところが「女帝」にはそれがない。 「こんな人間を放置していいのか」というジャーナリスティックな思いが溢れている。 この類の人物伝で優れたものは日本ではあまりないように思う。 わずかに魚住昭氏の「メディアと権力」佐々木実氏の「市場と権力」が思い浮かぶくらいだ。 (佐野真一氏の「ハシシタ」が完成していたらおそらくそうなっていたであろうが) 小池百合子というテレビが育てたモンスターのありようを著者は的確にとらえている。 小泉純一郎元首相がテレビを巧みに利用したと言われているが、彼の場合は持って生まれた資質がたまたま「テレビ的」であったにすぎないように思う。 彼女は竹村健一氏のアシスタントから始まってテレ東のニュースキャスターまでの間に、テレビ的とは何か、大衆とは何かを学んでいったに違いない。 おそらくはそのマイナーなキャリアゆえの屈辱感も抱えながら。 学歴詐称の検証は多少エビデンスが弱いが、それが瑕疵に感じないほど、小池百合子という人物の人生そのものが嘘に塗り固められていることが十分に取材されている。 その背景に、右頬の赤い「痣」と破天荒な「父親」の存在があるのではという指摘は、なんともうら悲しい説得力がある。 まぎれもなくこの本は「批判的人物伝」の傑作であろう。 選挙が近づくと候補者を貶めるようなゴシップ本が出版される。 本書をその類の下劣な暴露本と誤解する人間が多いかもしれない。 しがし、本書は至極真っ当で、正義感に溢れ、ノンフィクションの領域で業績を残してきた著者の渾身の傑作である。 本書を手にして一気読みした後のこの虚しさ、悲しさ。 小池百合子という人物に常に感じていた空虚感と言い知れぬ違和感がまさに氷解した。 学歴詐称、出自に関する嘘など些末な事象にしか過ぎない。 自分だけが可愛く、他者に共感できない、他者は利用し、容赦なく切り捨てる存在でしかない、その根源にある強烈コンプレックス。 著者は丹念な取材により、小池百合子という稀代の虚像を生み出し、スポットライトを浴びせてきた男社会とマスメディアの許容し難い構造にも問題提起をしている。 テレビカメラが存在しない場での同性である女性への徹底的なマウンティング。 マニキュアのシーンでは怒りを通り越して体が凍りつくようなホラーシーンを感じてしまった。 表面的なことばと演出に惑わされず、本質を見抜く力がいかに重要か、都知事選の前にぜひ一読を勧めたい。

次の

【小池百合子】小池百合子の学歴詐称疑惑 石井妙子氏は取材と検証で確信|日刊ゲンダイDIGITAL

女帝 小池 百合子

ジャンルでさがす• これから出る本をさがす• フェア• ジャンルでさがす• ジャンルでさがす• 電子洋書• フェア• ジャンルでさがす• 和雑誌• 海外マガジン• これから出る本をさがす• 和雑誌• フェア• 海外マガジン• ジャンルでさがす• DVD• フェア• ジャンルでさがす• フェア• 北海道・東北• 北関東・千葉• 神奈川• 中部・北陸• 中国・四国• 出版社内容情報 コロナに脅かされる首都・東京の命運を担う政治家・小池百合子。 女性初の都知事であり、次の総理候補との呼び声も高い。 しかし、われわれは、彼女のことをどれだけ知っているのだろうか。 「芦屋令嬢」育ち、謎多きカイロ時代、キャスターから政治の道へーー 常に「風」を巻き起こしながら、権力の頂点を目指す彼女。 今まで明かされることのなかったその数奇な半生を、 四年の歳月を費やした綿密な取材のもと描き切る。 〔目次より〕 序章 平成の華 第一章 「芦屋令嬢」 第二章 カイロ大学への留学 第三章 虚飾の階段 第四章 政界のチアリーダー 第五章 大臣の椅子 第六章 復讐 第七章 イカロスの翼 終章 小池百合子という深淵.

次の

小池百合子の全てを明らかにした本「 女帝 小池百合子 」 : サーティンキュー

女帝 小池 百合子

脱力してしまう記事があった。 「東京アラート」を都が発動した日、お台場では夜になって前日より人が増えていた。 その理由として、 「赤いライトアップ見物か」(産経新聞6月4日) 本末転倒ではないか。 お台場と芝浦を結ぶレインボーブリッジが赤くライトアップされ「見物客の姿もあった」という。 いかにも見栄えを重視する小池百合子都知事の「対策」っぽい。 石井妙子『 女帝 小池百合子 』(文藝春秋)である。 」 《小池氏には、1992年に日本新党から政界に打って出て以来、幾度となく疑惑の目を向けられる「学歴詐称」疑惑がある。 これについて、ノンフィクション作家の石井妙子氏が、小池氏とカイロで共に暮らし、小池氏のカイロ大学生活を誰よりもよく知る元同居人女性の早川玲子さん(仮名)から詳細な証言と当時の手帳や写真などの資料提供を得て取材をし、「小池さんはカイロ大学を卒業していない」との詳細な証言を得た。 》(「週刊文春」6月4日号「 『カイロ大学卒業は嘘』小池百合子東京都知事の学歴詐称疑惑 元同居人が詳細証言 」) 読みすすめていくと、著者が一貫して使っている表現に気づく。 それは「物語」だ。 カギカッコ付きの。 小池氏はこれまで私的な「物語」をマスコミを通じて売りにしてきた。 その「物語」があればこそ現在の地位も築けたようにみえる。 石井氏の入念な取材により学歴詐称疑惑はあくまで象徴の一つにすぎないことがわかる。 特異な環境で養われた「強さ」 《ウソにウソを重ねて物語を作っていると思いました。 》 石井氏は直近のインタビューでこう語っている(日刊ゲンダイ6月5日付)。 本書によると、小池氏は小学5年生の時には校内の弁論大会で優勝、題は「ウソも方便」だったという。 豊洲移転問題で知事は「盛土」について騒いでいたが、何のことはない、いちばん盛っていたのは小池百合子だったのである。 なぜそうなってしまったのか。 《彼女は10代の頃まで非常に苦労が多かった。 家が経済的に安定していないとか、親が多額の借金をつくって借金取りが取り立てにくるという状況で生きてきたわけです。 生まれつき顔にアザがあったこともあり、物心ついた時から「普通の人生は送れない」と言われることもあった。 幼い頃から気を張っていなければならない環境で生き、心が休まることもなかったのかもしれません。 》(日刊ゲンダイ・同) だから上り詰めて自分を強く見せないといけなかった、と。 しかしその特異な環境で養われた「強さ」は、ウソを平気でついたり、人として何かが欠落しているおぞましさがある。 本書のあちこちで見かける。 「もうマニキュア、塗り終わったから帰ってくれます?」 テレビカメラの前ではアスベスト(石綿)被害者に「崖から飛び降りますよ」と決意を口にし、笑みを浮かべて対応した小池環境相(当時)だったが、後日国会で「その言葉は使っておりません」と平気で言う。 被害者は傍聴席から「嘘つき!」と叫んだ。 地元・芦屋の女性たちが阪神淡路大震災の陳情に行くと小池氏は指にマニキュアを塗りながら一度も顔を上げずに応じ、 「もうマニキュア、塗り終わったから帰ってくれます? 私、選挙区変わったし」。 築地中央卸売市場の豊洲移転に反対した、仲卸業の女性は小池氏の演説に感動し「ジャンヌ・ダルクになってくださいね」と訴えた。 しかし小池氏はテレビカメラも報道陣もいない場所になると「ジャンヌ・ダルクはね、火あぶりになるからイヤ」と笑顔で言った。 女性たちは何を言われたのかわからなかった。 ちなみに「崖から飛び降りる」「ジャンヌ・ダルクになる」は小池氏の選挙演説でのお得意のフレーズである。 上昇志向が強いのは別にいい。 しかしそれが酷すぎて弱者に対して異常に冷たいことがよくわかる。 政界入りして細川護熙、小沢一郎、小泉純一郎などその時々の権力者に巧みに近づき取り入ったことは「政界渡り鳥」という異名でよく知られていたが、本書では用済みと判断すればコロッと変節し、次のステップに進む過程も細かく書かれている。 必読の部分だ。 「自己責任論」をいち早く言い出した政治家 政界パートを読んで私はあらためて思い出したことがある。 2年前、シリアで武装勢力に拘束されていたジャーナリストの安田純平さんが解放された際、またしても自己責任論が噴出した。 そもそも「自己責任」という言葉が流行語大賞のトップテン入りしたのは2004年だった。 イラクで拘束された日本人3人に対して投げかけられた。 あのときは政治家も率先して「自己責任」を声高に問うていた。 あそこから時代が変わったんじゃないか? と思った私は当時の新聞を調べたことがある。 一体、政治家で誰が最初に「自己責任」という言葉を言い出したのか? すると、事件勃発を伝える2004年4月9日にさっそくある政治家のコメントが載っていた。 「危険地域、自己責任も 小池環境相」(読売新聞夕刊) 《小池環境相は「(三人は)無謀ではないか。 一般的に危ないと言われている所にあえて行くのは自分自身の責任の部分が多い」と指摘した。 》 この11日後の4月20日に朝日新聞は「自己責任とは」という特集記事を書いているが、ここでも時系列の表で一番最初に載っているのが小池氏の発言だった。 新聞で確認する限り、政治家として最初に被害者の「自己責任」に火をつけたのは小池氏だった可能性が高いのだ。 そこであらためて考えた。 今回『女帝 小池百合子』を読んで、もう一つ私が指摘しておきたいのはその巧妙な判断である。 「自己責任論」をいち早く言い出すことで、当時のトップである小泉首相も言いやすいようお膳立てをしたようにも見える。 またしてもトップに寵愛されることをわかっていたはずだ。 今から16年前の自己責任論読み比べでさえ小池氏の権力者への媚態がうかがいしれる。 では、上ばかり気にしていた小池氏には「仲間」はいたのか。 小池氏はよく「さらば、しがらみ政治」と言うが、あれだけ人を利用して裏切りを重ねればむしろ「しがらみ」をつくりたくても無理だろう。 そういえば一瞬だが政権交代のムードすら漂った「希望の党」設立時でさえ側近は新人同様の若狭勝であり民進党を離党したばかりの細野豪志だった。 しがらみがないのではなく仲間がいないのだ。 そんな生き方をしてきたから。 「女性」には厳しい小池百合子 本書を読むと、小池百合子はオヤジに可愛がられつつ、しかし「女性」には厳しい。 のしあがってきた経緯もマスコミや記者のおじさんたちに可愛がられたからだ。 彼らはノーチェックで小池氏の「物語」を流布してしまう。 一緒になって「物語」をつくった共犯者でもある。 だからこそ何度もささやかれた学歴詐称疑惑も踏み込まない。 石井氏が2年前に「文藝春秋」で小池氏の記事(2018年7月号「小池百合子『虚飾の履歴書』」)を発表した際、二つに分かれた新聞記者の反応でより多かったのは「そんなことは自分たちも前から知っている」というものだった。 これはかつて立花隆が田中角栄の金脈問題を文藝春秋で発表した際の記者の反応と同じではないか。 そうして怪物を育てていたのだ。 狭いムラ社会の弊害にも思える。 もっと言えばオヤジ社会の罪が大きい。 そして小池百合子もまたオヤジであった。 『女帝 小池百合子』は真の東京アラートである。 都民に警戒を呼びかけるために発動された。 この展開は『女帝 小池百合子』を読めばむしろ予想通りなのである……。 (プチ鹿島).

次の