プレパ レーション と は。 【小児看護技術論Ⅱ】3年生がプレパレーション演習を行いました

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入院患児向けプレパレーション・ツール「Smile」のネーミングの由来を説く岡崎教授の口調は明快だ。 「Smile」はおおむね2歳から6歳までの入院患児を対象とする双方向操作型のパソコン(PC 用ソフト。 この際のプレパレーションとは、大人に対するインフォームドコンセントとほぼ同等の意味合いを持つ。 呼称が示すように「Smile」の狙いは大人でさえ不安な手術や治療、検査などのあらましを子どもたちに分かりやすく説明し、安心して受けさせる手助けをすることにある。 自らも子を持つ親として、入院患児の気持ちに大きな関心を寄せていた岡崎教授は専門である「感性デザイン」を踏まえて開発を主導。 北里大学病院、とちぎ子ども医療センター、株式会社 O Creationなどとのコラボレーションにより、2年がかりで最終的な形にまとめ上げた。 大人用と入院患児用の操作部を併せ持った画面で、どちらを選択しても操作可能。 開発にあたってはできるだけ簡単に操作できることを心がけたという。 画面で使われる用語については注射を「ちっくん」、脱衣を「ぬぎぬぎ」と言い換えるなど、ベテラン看護師らが現場で使う言葉をそのまま採用した。 また、入院生活を通じて身近に接する医療用具の紹介やゲーム機能なども備えている。 3つの視点を切り替え、多角的に確認 「Smile」は操作開始時にプレパレーション対象者である患児の性別によって主人公のキャラクター(男女)を選択する。 自らを重ね合わせることで、より理解を深めさせることを狙いとした一種のカスタマイズである。 既存のプレパレーション・ソフトにはない最大の特徴は展開する画面の視点を切り替えられることだろう。 3次元CGならではの機能といえる。 全体の様子が見える第三者の視点では文字通り、客観的な状況を説明する導入部として役立つ。 どの画面でもマウスの動きに応じてキャラクターも動く。 患児は患児、看護師は看護師の立場で自らの視点はもちろん、相手の視点を疑似体験できるのが要点だ。 自らが主人公でもある患児自身の理解を深めるという点で効果は大きいだろう。 患児の視点を選ぶと看護師は患児が本能的に感じるさまざまな「恐さ」を体感できる。 例えば、ストレッチャー上で横たわる子どもが見上げる角度には威圧感がある。 そのことを知っていれば、声のかけ方とか、接し方とかを考える。 つまり「恐さ」を知った上で、患児にどう接するべきかという看護師教育にも役立つわけだ。 こうした経験の積み重ねが医療事故を未然に防ぐ手立てとしても活用できるだろう。 250件以上のダウンロード提供 「Smile」には視点の切り替えのほかにも、医師の立場で患児が疑似体験をしたり、実写を取り込んだり、さまざまな操作ログを自動収集したりする機能がある。 例えば、医師の疑似体験を目的とした「お医者さんになろう」という説明画面では、聴診器や注射器などをマウスで操作できる。 聴診器を胸に当てれば鼓動が聞こえる。 また、骨髄を採取する道具の動きもリアルに再現した。 「何回もしなければならないのに、一番痛くて、精神的苦痛も多い」としてツール化を望む看護師の声に応えて題材に選んだものだ。 「Smile」は保育士、医療関係者などの一定の要件を満たせば「チャイルドライフデザイン」のホームページから無料でダウンロードできる。 同ソフトはこれまでに250件を超すダウンロードに対応し、多くの病院や看護施設が導入。 配布先は全国に及ぶ。 ベッドサイドのすべてのモニターに採用したいという病院もあったという。 前項でも見たように「Smile」は子どもに対する説明用ツール、看護師のための支援ツールという2つの性格を兼ね備えている。 ダウンロード希望の中には、授業で使いたいという看護学校が少なくないそうだ。 また「説明の仕方や接し方の上手下手で子どもの受ける恐怖感は大きく違う」(岡崎教授)ことから、ベテランの看護師が若い看護師を指導する際に使われるケースも多いようだ。 「Smile」から生まれた「ゆとり」 多くの病院や看護教育現場などで使われている「Smile」だが、その有効性はどうか。 岡崎教授らが行った同内容の絵本との比較実験では「ストレッチャーでの移動時」の現実味を帯びた説明の項目(約6. 5ポイント差)や興味を持続させる点で有効性が認められたという。 実験は北里大学病院で翌日手術を控えた患児(10人、平均4. 2歳 を対象に実施された。 「手術直前に母親と別れる」「手術に入る」といった、主人公が寂しがったり恐がったりするシーンでは絵本ともども、必ず母親のほうを向くという興味深い結果を得られたという。 こうしたデータも医療安全対策を進めていく上で参考になるかもしれない。 ただし「Smile」の機能の有効性を明らかにするために行ったこの実験結果は絵本の効果が劣ることの証明ではないことに注意を払う必要がある。 PCの導入ができない環境、たとえできても起動時間、PC重量などを不都合と考える現場では、飽きさせない工夫や魅力を持たせれば十分に有効なツールといえる。 「Smile」は入院患児の恐怖感や不安感を軽減するために「感性デザイン」として何ができるかという問いに対して岡崎教授が専門家の立場から示した1つの解でもある。 「Smile」からはその後、腎生検用プレパレーション・ソフト「Yutori」(ゆとり)、中心静脈カテーテル用プレパレーション・ソフトといったバリエーションが生まれている。 「本当に素晴らしいデザインはユーザーに聞くのではなく、まったく異なる分野の人と検討する中で生まれるし、使い勝手も良い。 プレパレーション・ツールも同じで、看護師さんや違う分野の方との模索から生まれると思います」(同)。 感性デザインと看護医療との共同研究によるツール開発に軸足を置く岡崎教授は現在、心臓カテーテルのプレパレーション・ソフトを共同開発中。 実際の医療現場で活躍する日もそう遠くはないようだ。 プロフィール 岡崎章(おかざき・あきら)氏略歴 1992年3月筑波大学大学院修了。 5月東北芸術工科大学デザイン工学部生産デザイン学科助手、97年7月筑波大学芸術学系講師、感性評価構造モデル構築特別プロジェクト専従研究員。 2008年4月拓殖大学工学部工業デザイン学科教授。 この間、慶應義塾大学理工学部(1999年4月から)、武蔵野美術大学デザイン情報学部(2004年4月から)の非常勤講師を務める。 日本デザイン学会理事。 感性科学博士(筑波大学)。 広島県生まれ。

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入院患児向けプレパレーション・ツール「Smile」のネーミングの由来を説く岡崎教授の口調は明快だ。 「Smile」はおおむね2歳から6歳までの入院患児を対象とする双方向操作型のパソコン(PC 用ソフト。 この際のプレパレーションとは、大人に対するインフォームドコンセントとほぼ同等の意味合いを持つ。 呼称が示すように「Smile」の狙いは大人でさえ不安な手術や治療、検査などのあらましを子どもたちに分かりやすく説明し、安心して受けさせる手助けをすることにある。 自らも子を持つ親として、入院患児の気持ちに大きな関心を寄せていた岡崎教授は専門である「感性デザイン」を踏まえて開発を主導。 北里大学病院、とちぎ子ども医療センター、株式会社 O Creationなどとのコラボレーションにより、2年がかりで最終的な形にまとめ上げた。 大人用と入院患児用の操作部を併せ持った画面で、どちらを選択しても操作可能。 開発にあたってはできるだけ簡単に操作できることを心がけたという。 画面で使われる用語については注射を「ちっくん」、脱衣を「ぬぎぬぎ」と言い換えるなど、ベテラン看護師らが現場で使う言葉をそのまま採用した。 また、入院生活を通じて身近に接する医療用具の紹介やゲーム機能なども備えている。 3つの視点を切り替え、多角的に確認 「Smile」は操作開始時にプレパレーション対象者である患児の性別によって主人公のキャラクター(男女)を選択する。 自らを重ね合わせることで、より理解を深めさせることを狙いとした一種のカスタマイズである。 既存のプレパレーション・ソフトにはない最大の特徴は展開する画面の視点を切り替えられることだろう。 3次元CGならではの機能といえる。 全体の様子が見える第三者の視点では文字通り、客観的な状況を説明する導入部として役立つ。 どの画面でもマウスの動きに応じてキャラクターも動く。 患児は患児、看護師は看護師の立場で自らの視点はもちろん、相手の視点を疑似体験できるのが要点だ。 自らが主人公でもある患児自身の理解を深めるという点で効果は大きいだろう。 患児の視点を選ぶと看護師は患児が本能的に感じるさまざまな「恐さ」を体感できる。 例えば、ストレッチャー上で横たわる子どもが見上げる角度には威圧感がある。 そのことを知っていれば、声のかけ方とか、接し方とかを考える。 つまり「恐さ」を知った上で、患児にどう接するべきかという看護師教育にも役立つわけだ。 こうした経験の積み重ねが医療事故を未然に防ぐ手立てとしても活用できるだろう。 250件以上のダウンロード提供 「Smile」には視点の切り替えのほかにも、医師の立場で患児が疑似体験をしたり、実写を取り込んだり、さまざまな操作ログを自動収集したりする機能がある。 例えば、医師の疑似体験を目的とした「お医者さんになろう」という説明画面では、聴診器や注射器などをマウスで操作できる。 聴診器を胸に当てれば鼓動が聞こえる。 また、骨髄を採取する道具の動きもリアルに再現した。 「何回もしなければならないのに、一番痛くて、精神的苦痛も多い」としてツール化を望む看護師の声に応えて題材に選んだものだ。 「Smile」は保育士、医療関係者などの一定の要件を満たせば「チャイルドライフデザイン」のホームページから無料でダウンロードできる。 同ソフトはこれまでに250件を超すダウンロードに対応し、多くの病院や看護施設が導入。 配布先は全国に及ぶ。 ベッドサイドのすべてのモニターに採用したいという病院もあったという。 前項でも見たように「Smile」は子どもに対する説明用ツール、看護師のための支援ツールという2つの性格を兼ね備えている。 ダウンロード希望の中には、授業で使いたいという看護学校が少なくないそうだ。 また「説明の仕方や接し方の上手下手で子どもの受ける恐怖感は大きく違う」(岡崎教授)ことから、ベテランの看護師が若い看護師を指導する際に使われるケースも多いようだ。 「Smile」から生まれた「ゆとり」 多くの病院や看護教育現場などで使われている「Smile」だが、その有効性はどうか。 岡崎教授らが行った同内容の絵本との比較実験では「ストレッチャーでの移動時」の現実味を帯びた説明の項目(約6. 5ポイント差)や興味を持続させる点で有効性が認められたという。 実験は北里大学病院で翌日手術を控えた患児(10人、平均4. 2歳 を対象に実施された。 「手術直前に母親と別れる」「手術に入る」といった、主人公が寂しがったり恐がったりするシーンでは絵本ともども、必ず母親のほうを向くという興味深い結果を得られたという。 こうしたデータも医療安全対策を進めていく上で参考になるかもしれない。 ただし「Smile」の機能の有効性を明らかにするために行ったこの実験結果は絵本の効果が劣ることの証明ではないことに注意を払う必要がある。 PCの導入ができない環境、たとえできても起動時間、PC重量などを不都合と考える現場では、飽きさせない工夫や魅力を持たせれば十分に有効なツールといえる。 「Smile」は入院患児の恐怖感や不安感を軽減するために「感性デザイン」として何ができるかという問いに対して岡崎教授が専門家の立場から示した1つの解でもある。 「Smile」からはその後、腎生検用プレパレーション・ソフト「Yutori」(ゆとり)、中心静脈カテーテル用プレパレーション・ソフトといったバリエーションが生まれている。 「本当に素晴らしいデザインはユーザーに聞くのではなく、まったく異なる分野の人と検討する中で生まれるし、使い勝手も良い。 プレパレーション・ツールも同じで、看護師さんや違う分野の方との模索から生まれると思います」(同)。 感性デザインと看護医療との共同研究によるツール開発に軸足を置く岡崎教授は現在、心臓カテーテルのプレパレーション・ソフトを共同開発中。 実際の医療現場で活躍する日もそう遠くはないようだ。 プロフィール 岡崎章(おかざき・あきら)氏略歴 1992年3月筑波大学大学院修了。 5月東北芸術工科大学デザイン工学部生産デザイン学科助手、97年7月筑波大学芸術学系講師、感性評価構造モデル構築特別プロジェクト専従研究員。 2008年4月拓殖大学工学部工業デザイン学科教授。 この間、慶應義塾大学理工学部(1999年4月から)、武蔵野美術大学デザイン情報学部(2004年4月から)の非常勤講師を務める。 日本デザイン学会理事。 感性科学博士(筑波大学)。 広島県生まれ。

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