腎炎 治療。 急性腎炎とは

腎炎の症状とは?原因や治療方法、食事についてを知ろう!

腎炎 治療

図1 尿路の構造 (日本泌尿器学会HPより引用) 腎盂腎炎とは、腎臓に細菌が感染する病気です。 図1のとおり、腎臓でつくられた尿は、腎盂(腎臓内の尿のたまるところ)、尿管を経て膀胱に溜められ、尿道から排出されます。 この尿の通り道である尿路は本来菌がいませんが、細菌が侵入し感染した場合を尿路感染症といいます。 細菌が感染した部位によって下部尿路感染症と上部尿路感染症に大きく分けられます。 下部尿路感染症は、尿道や膀胱に起こる感染症で、その多くは膀胱炎です。 一方、上部尿路感染症は、腎盂や腎臓に起こる感染症で、多くは腎盂腎炎と診断されます。 腎盂内で細菌が繁殖し腎臓にまで炎症が及んだものを腎盂腎炎といいます。 尿出口から侵入した菌が腎盂に到達 図2 大腸菌(神奈川衛生研究所HPより引用) 腎盂腎炎は、尿道の出口から侵入した細菌が尿路をさかのぼり腎盂に達することで起こります。 一般的に尿路に侵入した細菌は排尿により体外へ排出され、免疫力により退治されるため、簡単に腎盂腎炎は起こりません。 しかし、基礎疾患(前立腺肥大症、神経因性膀胱、尿路結石、尿路悪性腫瘍、尿路カテーテル留置や糖尿病、ステロイド内服等の全身性易感染状態など)を有すると腎盂腎炎を繰り返すことがあります。 これを複雑性腎盂腎炎といいます。 尿路結石や留置カテーテルなどの異物は細菌が増殖する温床になりやすいため再発しやすく、根本的な治癒としてこうした異物を除去することがあります。 一方、全身の病気や尿路の異常などがない腎盂腎炎を単純性腎盂腎炎といいます。 急性に発症する急性腎盂腎炎の多くは単純性です。 複雑性腎盂腎炎の原因菌は多岐にわたり、大腸菌(図2)やクレブシエラ属、プロテウス属などの腸内細菌のほか、緑膿菌やエンテロバクター属、腸球菌、ブドウ球菌などの細菌も原因となります。 一方、単純性腎盂腎炎の原因の約70%は大腸菌で、その他にクレブシエラ属、プロテウス属などが原因となることもあります。 細菌が全身に広がると命にかかわることも 背中や腰の痛み・高熱・膀胱炎症状(排尿時痛、頻尿、残尿感等)が主な症状です。 腎盂腎炎には、急激に発症する急性腎盂腎炎と、何度も繰り返し発症する慢性腎盂腎炎の2種類があり、それぞれ症状は異なります。 急性腎盂腎炎の場合、膀胱炎と同様に排尿時痛、頻尿、残尿感などの症状に加え、発熱、全身倦怠感などの全身症状、腰や背中の痛み、さらには悪心、嘔吐などの消化器症状を認めることもあります。 子どもやお年寄りでは脱水による意識障害がみられることもあります。 また、細菌が腎臓から血流に乗って全身へ広がった場合(敗血症)、血圧低下(敗血症性ショック)、急性腎不全、多臓器不全となり命にかかわることがあります。 一方、慢性腎盂腎炎の場合、自覚症状がない場合も多く、あっても軽い腰痛や微熱、食欲不振などが現れる程度です。 しかし、急激に症状が悪化した場合、急性腎盂腎炎のような症状が生じます。 慢性腎盂腎炎の原因が膀胱尿管逆流(膀胱にたまった尿が尿管や腎臓に逆戻りすること)にある場合、腎盂腎炎を何度もくり返すことで腎臓の機能が低下してしまったり、腎性高血圧になったりすることもあります。 腎盂腎炎の検査と診断 尿検査・血液検査・超音波(エコー)検査を行います。 まずは尿検査を行い、尿中の白血球や細菌を確認します。 白血球が一定数以上ある場合、尿路感染症である可能性が高くなり、さらに発熱や腰背部痛など腎盂腎炎に特徴的な症状がある場合、急性腎盂腎炎と診断されます。 一方、発熱や腰背部痛などがなくても、過去に膀胱炎や急性腎盂腎炎などにかかったことがあれば慢性腎盂腎炎が疑われます。 また、尿検査と並行して病原菌の種類を特定するために尿の細菌培養検査も行います。 これは、抗生剤の感受性を調べるためにも必要な検査です。 血液検査では、白血球増多、核の左方偏移、CRPやプロカルシトニン(PCT)上昇、血沈亢進などの炎症所見がみられます。 白血球増多や呼吸数・脈拍数の増加などを伴う病態では菌血症の存在を疑い、血液培養検査2セットを採取することが重要です。 血液培養検査で細菌が検出されれば敗血症の可能性が高く、時にショック状態を伴うこともあり、血行動態に注意が必要です。 腹部超音波検査(図3)では、まず尿の通過障害がないか確認をします。 腎臓の超音波所見では腎は腫大しており、皮質・髄質境界部に浮腫・微小膿瘍を示す低エコー域が出現することがあります。 腹部造影CT(図4)は、腎膿瘍、腎周囲膿瘍、気腫性腎盂腎炎などが評価できます。 造影CT所見では、腎の腫大に加え、周囲脂肪組織の濃度上昇、Gerota筋膜の肥厚、腎の実質内に楔状~斑状の造影不良域などを認めることがあります。 水腎症・膿瘍形成・ガス産生などを伴う重篤で特殊な病態では迅速かつ的確に診断し、必要に応じて泌尿器科的処置(ドレナージなど)を行わなければなりません。 図3 超音波検査機器• 図4 CT 抗菌薬治療で改善しないときは入院治療へ 治療は、細菌感染が原因であるため、抗菌薬による薬物療法が中心となります。 比較的全身状態がよい軽症の場合は、適切な抗菌薬治療で症状は比較的すみやかに改善します。 治療の期間は通常1〜2週間ですが、治療を終了したあと再発の有無を確認するために一定期間(約1〜2週間)をおいて尿検査を行います。 治療中は安静と十分な水分補給が必要です。 症状が改善しない場合は入院を考慮します。 発熱の程度が強い、水分や食事が十分に摂取できない、血圧が下がる、全身状態が悪いなど重症の場合には、入院のうえ抗菌薬の点滴治療を行います。 発熱がおさまれば、経口治療に変更可能です。 尿路基礎疾患がみつかった場合は、併せてその治療も必要です。 注射薬から経口薬にスイッチするタイミングは解熱など症状寛解後24時間とし、投与期間は合計で14日間程度を目標とします 尿路基礎疾患をそのまま放置すると、腎盂腎炎を繰り返す可能性が高くなります。 腎盂腎炎の治療と同時に治療することもありますが、多くは炎症がおさまってから治療を開始します。 症状がなくても抗菌薬は飲み切る 急性腎盂腎炎の治療を開始する際、原因となる細菌が特定されない場合は広範囲な菌に効果がある抗菌薬を選択して治療を開始します。 原因となる細菌が特定されると、その細菌に効果的な抗菌薬に変更して治療を継続します。 症状を抑えるために、消炎鎮痛剤を用いることもあります。 通常、4~7日ほどで症状はおさまってはきますが、治療は1~2週間ほどかかります。 また治療が終了した後にも、さらに1~2週間あけて、再発していないか確認するために検査を行います。 なお、治療で一番気をつけないといけないことは、お薬の服用です。 症状がおさまったからといって、勝手にやめてはいけません。 症状がおさまったとしても、細菌はまだ残っていることが多く、中途半端な飲み方をすると、細菌が繁殖してぶり返したり、慢性化に移行したりします。 処方されたお薬は、必ず飲みきりましょう。 慢性腎盂腎炎の場合は急性腎盂腎炎と同様に、抗菌薬にて治療を行います。 再発を繰り返している場合、尿検査で異常反応が出ないこともあり、症状がおさまったとしても、1カ月以上続けなければなりません。 そして、持ってる基礎疾患が原因で慢性腎盂腎炎となっている場合には、基礎疾患の治療も行う必要があります。 陰部の清潔を保ち、尿を我慢しない 本来は無菌状態の膀胱に細菌が侵入し、膀胱内で増殖した細菌が腎盂や腎臓にまで達することで腎盂腎炎が起こります。 まずは、膀胱に細菌を入れないために陰部の清潔を保つことが重要です。 また、女性の場合は男性と比べて尿道が短いため、細菌が膀胱へと侵入しやすい特徴があり、こまめなシャワーや入浴は効果的です。 また、女性であれば、生理用のナプキンやおりものシートをこまめにとり換え、排便後のふきとりなど注意が必要です。 細菌が入ってこないよう尿道の菌を尿で流すことも重要です。 そのためには、水分を多めにとり、尿を我慢せず膀胱に溜め過ぎないことが有効です。 トイレに行くのを我慢してしまうと細菌が繁殖してしまうので、たとえ尿意がなくてもトイレに行き排尿を試みることも大切です。

次の

腎盂腎炎の治療期間と安静期間はどれくらい?どうやって過ごせばいいの?

腎炎 治療

急性腎炎(きゅうせいじんえん) 急性腎炎 (きゅうせいじんえん) (急性腎炎症候群) (きゅうせいじんえんしょうこうぐん) 頭痛、食欲不振、浮腫(むくみ)などが急激に出現し、血尿と蛋白尿が認められ、尿量減少、血圧上昇があり、発病初期は、腎機能も低下することが多いとされています。 上気道炎や扁桃炎など小児に多い溶連菌感染後におこる急性腎炎は、発病時の症状がはげしくても、治りやすいといわれています。 病理組織学的には、管内増殖性糸球体腎炎を呈します。 しかし最近は、溶連菌感染が減少したために、むしろIgA腎症や膜性増殖性糸球体腎炎で、急性腎炎の症状を示すものの比率が増加しています。 このような場合は、治療によって症状が軽快しても、その後は慢性の経過をとりますので、溶連菌感染後の急性腎炎か、そうでないのかを医師からきちんと診断してもらうことが大切です。 このほか、溶連菌感染後の腎炎か、それともIgA腎症なのかを鑑別するためには、腎疾患の既往歴の有無、かぜなど上気道炎症や扁桃炎などの感染から腎臓病の症状が出現するまでの期間、免疫の異常などがあるかどうかの血清補体価などを参考にします。 また、急性期の症状が強く、しかも軽快のきざしがみえず症状が進行性のものは、急速進行性糸球体腎炎の疑いもあるので、注意する必要があります。 症状としては、蛋白尿、血尿、乏尿、浮腫あるいは高血圧などがあり、発病初期には、これらの症状がかなり重いこともあります。 溶連菌感染後急性腎炎は、適切な治療を行なえば予後は良好で、およそ65パーセントは発病後2か月以内、85パーセントが3か月以内、95パーセントが6か月以内に、尿所見の正常化が認められると報告されています。 症状が派手なわりには、きわめて治りやすい病気といえます。 しかし、注意したいのは、尿所見が正常化しても、かならずしも病気が治癒したということにはならないことです。 ふつう、糸球体病変の回復は尿所見の正常化から、さらに6か月から12か月程度は遅れるといわれています。 したがって、生活上の注意は、この点を十分に考慮する必要があります。 食事は、食塩、蛋白質、水分を制限しなければなりません。 安静と適切な医療により尿量が増加して浮腫が軽減し、血圧が正常化してきた時期を利尿期といいます。 さらに症状が改善し、浮腫が消失して血圧も正常となり、蛋白尿や血尿が改善する傾向がみられるとき、この時期を回復期といいます。 そして、回復状況によって、主治医と相談のうえ退院が可能となり、軽い家事程度なら許可が出ます。 しかし、学生の場合は、退院しても通学は控えるよう指示が出ます。 さらに、尿蛋白が痕跡程度から陰性化したころになると、学校での学習に参加できるようになります。 この時期を治癒期といいます。 そしてごく軽い運動から参加させていき、尿所見、臨床検査所見などの悪化がみられなければ、徐々に運動量をふやしていきます。 しかし治癒後6か月ぐらいまでは、あまりはげしい運動や遠足、ハイキングなどスポーツ的要素の強い活動はさけるようにすることが大切です。 この治療方法は、溶連菌感染後の急性腎炎以外の急性腎炎群においても同じです。 しかし、この場合は症状がきわめて短期間で消退するものから、長く遷延するものまで、臨床経過は多彩であり、経過が遷延する場合には、慢性に経過する腎炎として、治療や生活上の注意をすることになります。

次の

急性腎炎と慢性腎炎と急速進行性腎炎

腎炎 治療

「腎盂腎炎」という病気の治療について、どのようなイメージを持っていますか? 「腎盂腎炎」 じんうじんえん という病気になってしまった、この先どうなるのだろうか…? 家族が「腎盂腎炎」になってしまった、どう接すればよいのだろうか…? この病気は、子どもから大人、女性にも男性にもあり得る病気です。 簡単に言うと、腎臓自体に炎症が起きることです。 そしてその炎症は自然には起きず、細菌感染によって起き、重症化すると血液を介して全身の炎症、命の危険へと拡がる可能性があります。 軽症なうちに放置したり、重症化したら…と怖い想像をして治療に集中できなかったりする事態は避けたいものです。 そこで今回は、腎盂腎炎の治療や過ごし方、治療する家族への支援についてご紹介します。 こちらの記事も併せてお読みください。 腎盂腎炎の原因・症状とは?どのような検査をするの? 腎盂腎炎の特徴について【原因】【症状】【検査】に分けておさえていきましょう。 腎盂腎炎の原因・特徴• 細菌感染(特に大腸菌)による腎臓の炎症• 膀胱炎に続いて起きるなど、尿の出口から腎臓に向かって細菌が入って起きる• 片方のみに起きる場合がほとんど• 尿道の短い女性に起こりやすい• 尿道の通過障害(前立腺肥大症、尿路結石、妊娠)や糖尿病の基礎疾患があると起こりやすい• 尿道カテーテル留置中でも起こるときがある 原因は様々ありますが、免疫が落ちているときや膀胱炎を患っているときにかかるのが腎盂腎炎です。 感染した汚い尿を外に出しきれず、体の中にためこんで、炎症を悪化させている、そのような状態なのです。 腎盂腎炎の症状 代表的なものは、以下のものが挙げられます。 腰背部痛• 食欲不振• 全身倦怠感 これらに以外にも、自覚症状が少ない膀胱炎もありますが、 尿が出し切れない、出すときに痛む場合には、膀胱炎もしくは腎盂腎炎となっている可能性があります。 腎盂腎炎の検査 それほど苦痛な検査は少ないかと思われます。 血液検査と尿検査は必須です。 なぜなら、血液検査で重症度が判断できますし、尿培養検査は、原因となる菌を探し出し、抗菌剤の種類を検討するために必要だからです。 また、超音波検査 エコー などで、尿の通り道がふさがっているかなどの確認をしていきます。 腎盂腎炎の治療はどのようなもの? 治療内容や期間は、経験したことのない方にとっては未知の世界で不安は高まると思います。 まずは、治療内容からおさえていきましょう。 抗菌剤の投薬治療と、場合によっては ドレナージ法を行います。 抗菌薬の投与治療 14日間の投与が基準です。 投薬方法は、重症度が高い(=内服が困難であったり、脱水があり全身状態が悪い)場合、点滴から開始します。 点滴から開始した場合の内服への切り替えは痛みや発熱が軽減してから24時間後から、となります。 ドレナージ法 以下の場合に適応となります。 結石によって汚れた尿が体の外に出る見込みがない場合• 抗菌剤の効果がない場合 そして、ドレナージ法はどこで尿が停滞しているかによって方法が異なります。 方法によっては、お腹や腰に穴をあけて管を差し込み、外へ出す場合もあります。 しかし、ほとんど一時的なものなので、 炎症が軽減されていることが確認できれば、管は取り除き、元の生活が可能となります。 どうやって過ごせば良いの? 次に、 治療期間中の過ごし方です。 症状が発症してからすぐの時期には、ベッド上安静が望ましいです。 そのため、容易に脱水になり悪化しやすく、水分や食事がとれない場合、入院して点滴で水分を補いながら治療する方が好ましいです。 入院は環境が変わり、慣れていないためにストレスなものですよね。 しかし、具合が悪い時にすぐに対応を求められるのは大きなメリットです。 勿論、 軽症か中等度と診断された場合、外来治療も可能と選択肢にあがります。 外来で治療するメリットとして、慣れた環境で過ごすことができて、治療中のストレスも少なくて済むことがあげられます。 そのような場合には、以下のことに注意して生活をするとよいでしょう。 食事、トイレ以外はなるべく動かず、よく休む• シャワートイレなどで陰部を清潔にする• 水分の摂取 1日1. 5~2L を心掛け、尿の量を増やす• トイレを我慢せずにどんどん尿を出す• トイレットペーパーを使用する際は、前方から後方に向かって拭く• 処方された抗菌剤は症状が治まってもしっかり飲み切る キーワードは 「よく休むこと」「汚いものを外に出すこと」です。 これらのことに気を付けていても、悪化はあり得ます。 病院から帰った後に想像以上に水分や食事がとれない時には、入院治療に切り替えたいと病院へ依頼することが大切です。 家族の腎盂腎炎の治療にはどう接したらいいの? 家族…と一言で言っても、自分にとって親なのか、子どもなのか配偶者なのか、年齢も様々です。 しかし、統一して絶対的に言えることは、 どんな人でもきちんと休むこと。 掃除、洗濯、料理、子の世話をしなくてはいけない… 「しなくてはいけない」ことはない、自分の体を整えるのが一番の仕事、ということを家族が伝えてあげてください。 特にこの腎盂腎炎、先にも述べましたが、簡単に重症化しやすいです。 子育て中のママであれば、夫や親が、行政機関を使ってでも、家事や育児から切り離してあげてください。 親の介護中の方であれば、介護サービスや短期入所施設を使用するなどし、介護と家事を避けてください。 遠方にいる単身赴任の夫や一人ぐらい中の子が罹ったのであれば、その一人ぐらし先に行ってお世話をするか、もしくは、どんなに軽症でも病院が受け入れてくれるなら、入院をすすめてください。 入院でも外来治療でも、しっかり体を休めて、体の悪いものを外に出すことが大切です。

次の