糸へん 致す。 「緻」という漢字の意味・成り立ち・読み方・画数・部首を学習

芥川龍之介 地獄変

糸へん 致す

銀色に鈍く光る雪の降る島へ、海賊船は無事到着した。 無事とは言っても、島の近辺に来るまでは本当に危ない場面がいくつもあった。 ローの能力で回避できるものも多いとは言え、クルー全員が駆り出され大渦を避けたり流氷を破壊したりと、ベポを筆頭にてんてこ舞いだった。 力がなくてあまり役に立たない私でさえこき使われたほどだ。 島にかなり接近したところで、さっきまでの嵐や大波が嘘のように静まり返ったお陰で来れたようなものだ。 天候が落ち着くまでは、最悪引き返すことも視野に入れていたが、何とか到着しクルーたちはほっと胸を撫で下ろしていた。 そしてそれは、私たちと同じようにログを辿ってこの島へ来ようとする者たちは皆同じだったようで。 上陸した途端、船ばかりは大きいが確か懸賞金はローの半分にも満たないような額の、ある海賊団に囲まれた。 この海で名を上げるには、自分より懸賞金が上の海賊を討ち取るのが手っ取り早い。 大型ルーキーとして注目の的であるローがこうして狙われるのは、私が船に乗ってからの数ヵ月で数えきれないほどあった。 そういう時、船の上であれば私は自室か船長室に放り込まれてじっとしている。 さすがに億越えの賞金首だけあってローは大抵の海賊よりは強く、敵が私のもとへ到達するようなことはこれまでなかった。 しかし今日は、運悪く島に降り立った直後に襲われてしまった。 そして敵は、ローがROOMを張るよりも先に、目にも止まらぬ速さで私を掻っ攫って首へ腕を回して拘束した。 「 a !」 クルーの誰かが叫んだ。 みんなが一斉に武器を構える。 懸賞金が低いからとあまり警戒していなかったが、予想以上に速い。 一瞬でROOMを張って空間を支配できてしまうローの不意を突けるほど、私を捕まえた男の移動速度はかなりのものだった。 おそらく私が明らかに一人だけ弱そうだったからすぐさま人質に選んだのだろう。 確かにその判断は間違ってはいないが、そもそも人質という手段が正解とは言えない。 ローの能力を正確に知っていたら、結局速さなどは無意味であることもわかっただろうに。 すぐさまローの手からサークルが出現する。 捕まっているのは私なのに、存外私は冷静だった。 海賊船に乗っているうちに、不本意ながらこんな状況にも慣れてきていたのかもしれない。 それに、ROOMの中にいるうちは大方心配が要らないと、私は経験でわかっていた。 けれどそれは、あまりに呑気すぎる考えだったと後になって思う。 シャンブルズで私とローの周りに振っていた雪が入れ替わるのは、当然一瞬だった。 だが私も、おそらくローやクルーたちでさえも、少しこの敵のことを侮っていたかもしれない。 ローの腕の中に移動する直前に、私は切られた。 しかしそれは幸いにも体の一部ではなかったので、血が出るような怪我はしていない。 その代わり、航海中伸ばしっぱなしにしていつの間にか腰のあたりまで長く伸びていた髪の、首元から毛先までを敵のもとに置き去りにしていた。 「さむ……」 瞬く間に、少しだけ軽くなった頭。 冬島の凍えそうな冷気が何にも遮られることなく首を撫でて、私はローの腕の中で思わずそう呟いた。 ローが、まるで石のようにピシッと固まって私を見下ろしている。 ああまずい。 その時私はこれまた呑気なことに、私の髪を切った敵の海賊を哀れに思った。 「ベポ」 切られたのが髪でよかった、と。 おそらくこの場にいるこちら側の人間はみなそう安堵していただろう。 ただ一人、船長であるこの男を除いては。 ベポを呼ぶ声がこの世のものとは思えないほど恐ろしく、それはまさに悪魔のようで。 恐ろしさに震えたのは私だけではなかったらしい。 私の手をそっと引いたベポでさえも、青ざめて震えている。 「キャプテン、マジギレしてる…」 あわわ、と口を押さえるベポと知らず知らずのうちに同じポーズをとっていた。 こうなってしまっては、最早敵が不憫だった。 髪を切られた被害者は私なのに、禍々しいオーラに圧倒される敵に思わず同情せざるを得なかった。 案の定だった。 ついさっきまで人間の形を保っていた敵は文字通り微塵切りにされて、今は降り積もる雪の中に埋まっている。 「……」 刀を鞘に収めたローが、無言で近付いてきた。 そのなんとも言えない表情に、私もまた無言でローを見上げる。 凍てつくような風が一際強く吹いた。 短い髪は、いとも簡単に風に攫われる。 たくさん着込んでいるにもかかわらず、私の体はぶるっと震えた。 少し視線を落とした時に、頭に軽い衝撃。 と同時に、視界が半分遮られ、風に晒され冷えていた頭が温かい何かに包まれた。 手を頭に伸ばして確かめると、ふわふわの感触がある。 視界を遮る陰を少しだけずらすと、ローの頭にあったはずのトレードマークの帽子が私の頭に移動していた。 「…髪、整えて来い」 ローの声は、心なしか少しだけ落胆しているように聞こえた。 そんなことを、理容師さんの手で少しずつ長さが揃えられていく自分の髪を、鏡越しに見ながら思った。 「せっかく前の島で買った櫛、しばらくは使えないわね」 背後のソファに座って温かいお茶を飲むイッカクが、残念そうに呟いた。 結局あの櫛を使ったのは、甘いものをたくさん作ったあの日の一度きりだった。 襲ってきた海賊を完全に敵意喪失するまで追い込んだあと、私とイッカクは雪深い町に1軒だけあるという理容室へと赴き、ざっくりと切られてしまった髪を整えてもらっていた。 少し斜めに切られてしまったから、短いところに合わせて切らざるを得ない。 私自身は髪にそこまで頓着はないが、思っていたよりも短くなってしまいそうだ。 「そうだね…でも、切るタイミング見失ってたから、逆にちょうどよかったかも」 「よくないよ!キャプテンのキレ具合見たでしょ!?なーんにもよくない!」 「ご、ごめん」 イッカクの勢いに負けて、思わず謝る。 確かに私が髪を切られてしまった後のローの怒りは、鬼気迫るものだった。 たぶんクルー全員が、少し敵に同情しただろう。 「もう、ちゃんとキャプテンのご機嫌取ってよね?」 「そんなこと言われても…どうやって…」 「 a にしかできないから!まあ頑張って!」 鏡越しに見えるイッカクは、私の気も知らずけたけたと笑っている。 結局丸投げだ。 ローの機嫌が悪くなるとクルーたちはそそくさとどこかに行き私に後を押しつけるという、こんなことが最近多い気がしてならない。 鋏で毛先をちょこちょこと整える理容師さんは、おそらく私と同じくらいの年だろうか。 若いのに一人で店を切り盛りしていてすごいなと感心する反面、自分もそういえば似たような境遇だったことを思い出す。 故郷の島にいた頃は、もうだいぶ昔の話のように思えた。 それだけ、この船に乗ってからの日々が濃いということなのだろう。 「できました。 とても似合ってますよ」 「ありがとうございます」 すっかり軽くなった頭を左右に振ってみると、肩より上まで短くなった髪が軽快に揺れる。 惰性でかなり長く伸ばしてしまっていたが、短いと手入れが楽だし良いことも多い。 イッカクには悪いが、やはりこのタイミングで切ることになってよかったと思った。 「旅の方々ですか?」 理容師さんが、鋏を片付けながらそう聞いた。 そうです、と答える。 「この島の周辺海域はとても気候が荒くて。 半年とか、運が悪いと一年に一度しか行き来できるような状況にならないんです」 だから幸運でしたね、と理容師さんはにこっと微笑んだ。 島へ近付いたところでぱったりと空も海も落ち着いたのは、つまりこういうからくりがあったというわけだった。 この島へ来られたのは単なる幸運にほかならなかったらしい。 「この島は温泉が自慢なんです。 ぜひ、冷えた体を温めていってください」 「温泉!?」 イッカクが温泉という言葉に反応して、勢い良くソファから立ち上がった。 「いいね! a 、キャプテンにお願いしてみんなで行こう!」 「…うん。 温泉、行ってみたい」 温泉。 それはただのお湯を溜めたお風呂ではなく、地下から湧き上がる様々な効能を持った湯のことだと、知識だけでは一応知っている。 また故郷の島にはなかったものを体験できるのだろうか。 イッカクが、持っていたローの帽子を私の頭にぼすんと被せた。 見た目通り温かいそれと温泉への期待のお陰で、凍えるように寒い外に出るにも自然と足取りは軽くなった。 雪をたっぷり携えた木々と降りしきる雪に目隠しをされ発見しづらかったが、地図に示されていた場所に、確かに宿はあった。 辺り一面の銀色に光る雪が、趣ある宿の佇まいをより一層引き立てている。 引き戸の玄関をシャチが勢いよく開く。 奥まで続く廊下には人っ子一人いなかったが、突き当たりには「男」「女」と書かれた暖簾が垂れ下がっているので、ここが目当ての温泉には間違いないだろう。 数秒置いて、ぼんやりと光が漏れる部屋の襖がすすすと開いた。 「おっなんだ、ガキだ」 「…おかーさーん!お客さんー!」 襖からひょっこり顔を出したのは、小さな少女だった。 年の頃は6、7といったところに見える。 その少女に呼ばれて突き当たりの廊下から現れたのは、少女の母親だろうか。 まだ若く宿の女将とは思えなかったが、私たちの姿を見ていらっしゃいませ、と声を掛けた。 「こんな辺鄙なところまで、ようこそいらっしゃいました。 どうぞごゆっくりしていってください」 「お姉さん、温泉!温泉入りに来たんだおれたち!」 「ええ、ぜひ。 うちの宿自慢の大浴場がありますよ。 寒いですが、露天風呂も」 「やったあ!キャプテン、早く行きましょう!」 脱いだ靴も揃えないまま、どたどたと玄関を上がっていくクルーたち。 もう、と言いながら散らばった靴をかき集めていると、女将さんがお気になさらず、と言って奥へ行くよう促された。 すみませんと謝りながら振り返ると、てっきりもうお風呂へ行ったかと思っていたローがまだそこにいた。 そして靴を丁寧に靴箱へ仕舞っていく女将さんに尋ねた。 「貸し切り風呂はあるか」 「ええ、ありますよ。 突き当たりを左です」 何のことかとぽかんとしているうちに、ローに行くぞと声を掛けられる。 間を置いてようやくローの言葉の意図を理解した私は、すぐにはその場を動かなかった。 私はイッカクとのんびり温泉を満喫するつもり満々だったので、今からローと二人きりになる心の準備は整っていない。 廊下の真ん中で私を待っていたイッカクを見ると、こちらのやりとりを聞いていたようだった。 イッカクはぶーっと口を尖らせ少し残念そうな顔をしたが、すぐにパッと表情を切り替えると、じゃ、ごゆっくり!と言い残して足早に女湯の暖簾の先へ消えて行ってしまった。 イッカクへ向かって伸ばした手が虚しく空を切る。 気遣ってくれたのだろうけれど、なんだか少し、悲しい。 私もそうしたい、できれば早めにそうしたい。 だが、とてつもなく寒い。 番になって数ヶ月経った今でも消えない羞恥心に耐えて、服を脱いだまではよかった。 だが、ローが脱衣場と外を繋ぐ扉を開けた時に外から流れ込んできた冷気に、軟弱な私はその場に凍りついてしまったのだ。 なんでローは平気で外を歩いて行けたのだろう。 億超えの海賊ともなると寒さも感じないのだろうか。 ローとシャチ、ペンギンの3人はノースブルー出身らしいから元々寒さには強いのかもしれないが、穏やかな春島出身の私はまったくもって慣れていない。 冬島は初めて上陸するが、びっくりして心臓が止まってしまうのではないかと思うほど寒いなんて知らなかった。 心臓、ないのに。 こういう時こそ能力を使って一瞬で湯に連れて行って欲しいものだが、ローはこちらに背を向けて、もう既にのんびりと温泉を楽しんでいる。 扉に遮られて声は届かないし、それは叶えられそうにない。 もうどうにでもなれと私は覚悟を決めて外に飛び出し、走って温泉に向かっていった。 だが脱衣場から温泉への通路はカチカチに凍っていて、結局滑らないようにそろそろと歩くことを余儀なくされたのであるが。 「っはあ、さ、さむ…!」 「…お前、勢いよく入りすぎだ」 そうは言っても、結局最後は飛び込むようにして湯に入った。 大きく跳ねた飛沫がローの顔にかかったようで、文句を言われる。 たった数秒の間に凍りそうなほど冷えた体を温めるために、顎がつくまでしっかり湯に浸かった。 湯はエメラルドのような透き通った緑色をしている。 限界まで浸かっているとはいえ、外気がこれほど寒くて本当に温まるのか半信半疑だったが、その予想は良い意味で裏切られた。 ものの数分もしないうちに体は芯からぽかぽかとしてきて、冷気に晒されているはずの顔や耳までもが温かい。 錯覚かと思ったが、ふう、と吐いた息は真白なのだから寒いことには違いなかった。 理容師さんや女将さんが自慢と言っていただけある。 そしてこんなに質のいい温泉なのに、島にはなかなか上陸できないというのだからこれはまさしく秘湯と呼べるのではなかろうか。 「満足か」 「うん…きもちいい…」 言った後に、はっとして閉じていた目を開いた。 あまりの温泉の気持ちよさに、ローの問い掛けに対し子供のように素直な反応をしてしまった。 悪いことをしたわけではないはずなのだが、なんだか居心地が悪かった。 「そうか」 ふっと口元を緩めたローの、珍しく穏やかな微笑みに少しだけ目を奪われたのも束の間。 湯の中で腰に回された腕に引き寄せられて、ローの胸に肩がくっつく。 思わず身構えた私を余所に、ローは私の頭に鼻を寄せた。 私の短くなった髪に指を通し、一房持ち上げる。 何をしているのかと目線だけ動かして覗き見たローの表情の、絶妙ななんともいえなさは、できればクルーの誰かに共有したいくらいだった。 「なに笑ってる」 肩が揺れていたのを見つかってしまった。 ローがムッとした顔で、私の顔を片手で挟むように掴んでローの方を向かせた。 頬に指が食い込んでいる。 髪を切られたことがそんなに気に食わなかったのかと、少しだけ可笑しくなってしまった。 好みなのか何なのか知らないが、放っておけばいずれ伸びるのだからそこまで残念がることもないだろうに。 「…なんでもない」 頬を掴まれているせいで喋りづらい。 もう笑いは顔から消し去ったつもりだったのだが、曲がってしまったローの機嫌は直らない。 ローが左手を翳してROOMを張る。 まだ温泉をじっくり堪能したかったのだが、待って、と言葉を発した時には既に温かい脱衣場に移動していた。 がっかりしている間もなく、上を向かされ性急に口付けられる。 脱衣場は暖炉でしっかりと温められているので寒くはないが、こんなところで致すのはできれば避けたい。 我慢というものを知ろうともしない海賊の習性にはほとほと参ってしまう。 唇が解放されたと思ったら、くるりと体を反転させられる。 衣服を置いておくための棚に掴まると、後ろからまだ湯で濡れている肌が密着した。 ローの指が、つ、とうなじを撫でた。 ぞわ、と鳥肌が立つ。 高波のような快感が、一瞬で思い起こされる。 「噛んでいいか」 「ッ、だめ!」 勢いよく振り返り、キッと睨みつける。 一応、約束したはずだ。 海賊が大人しく約束を守ると思っているわけではないが、約束してくれただけましなのだ。 この前のことで嫌なものは嫌だとはっきり表明することの大切さを知った。 ローは完全に納得した様子ではなかった。 その不満を体現するかのように、噛みつきこそしなかったが、長い舌がうなじを下から上にべろりと舐め上げた。 「…っ舐めるのも…嫌…っ!」 「それは約束してねェ」 確かにそれは協定の範囲外だ。 だがその快楽を教え込まれてしまった私の身体は、噛まれずともそこに触れられるだけで腹の奥がきゅんと疼いた。 それを見透かされたかのように、ローの手は私の胸をぎゅっと掴み、反対の手が足の間に伸ばされた。 中からとろりと溢れてきた愛液を掬って、そのまま指が一本侵入してきた。 「まあ、舐めるだけでギチギチに締めつけてんだから世話ねェな」 羞恥にぶわっと顔に熱が集まる。 意地悪な言い方しかしないのは、こうして私を煽るためにわざとなのだろうか。 問い質したくとも、侵入した指が一番弱いところをぐりぐりと擦るから、喉からは意味の成さない嬌声しか出てこない。 股はあっという間に愛液でべたべたになってしまった。 せっかくお風呂に入ったというのに、これではまた後で入り直さねばなるまい。 足の間に、ローの雄が挟み込まれた。 愛液をたっぷりと纏わせて、中に入っているかのように前後に動かされる。 硬く膨れ上がった先端が肉芽をぐにぐにと押し潰して、私は我慢ならずまた甘ったるい声を上げた。 まだ入れられていない。 性交の真似事のようなことで、達するわけにはいかない。 しかしそんな真似事で、昂ぶったのは確かだった。 膝に力が入らなくなってきて震え出した私を、ローが腰を抱えて持ち上げるとずぷりと一気に奥まで貫かれた。 ローの腰の高さに持ってこられたせいで床から浮いた足の裏が反り返って、懸命に快楽を逃がす。 「どうした?いつもより興奮してるようだが」 はあ、と熱っぽい息を吐いたローが聞いてくる。 そんなわけはない、違うと、思いたい。 それでも自分でもわかるくらい私の膣はローの雄をきつく締め上げている。 先っぽが大きくて、竿に血管がたくさん走る雄の形がありありとわかるほどに。 足が浮いた状態のまま、ガツガツと奥を穿たれる。 自分の体重のせいで深いところまで刺さり、奥の壁にこつこつと当たるのがわかる。 体はほぼローに預けているとは言え、私は目の前の棚に掴まっているので精一杯だった。 揺さぶられる度に、ぷらぷらと足が揺れる。 人ひとり抱えたまま平気でこんなに動くなんて、やっぱり一般人とは体のつくりがケタ違いだ。 そんなことを呑気に考えている間に、私は早くも二度目の絶頂を迎える。 苦しい体勢のまま背中を仰け反らせて達すると、いつの間にか息を荒げていたローも私の中に精を放った。 ゆっくりと下ろされ、床に久方ぶりに足がつく。 だというのに私の膝は全然機能しなくなっていて、ぷるぷると震えてまともに立てないせいで結局ローに抱え込まれていた。 そして、どうしてかローが中から出て行かない。 もしかしてここで抜いたら栓を失い床を汚してしまうからだろうか、などと思っていたが、それはおそらく見当外れのようだった。 「避妊薬は飲んでるか」 「…へ…あたりまえ、じゃない…」 息も絶え絶えに答えたが、ローの問う意味がわからなかった。 不本意ながらローに最初に抱かれた時から、私はずっと避妊薬を飲み続けている。 一時期フィズのところにいた時はさすがに飲んでいなかったが、それ以外は欠かしていない。 それは当然私が妊娠を望んでいないからでもあるし、それはおそらくローも同じだろうと思っているからだ。 新進気鋭に海を駆け上がっていく真っ只中で、この男が子を欲しているとは思えないし普段の言動から見てもそんな素振りはなかった。 不思議に思っていると、ローの手が下腹部をするすると撫でた。 そこは今しがたたっぷり出された子種で満たされ、雄もまだ埋め込まれたままだ。 「孕むか」 「は、……っ、」 その衝撃に、まともに言い返すこともできず私はぱくぱくと口を開閉させた 一体どういう意図で、どういう意味で、なんのためにそんなことを言ったのか、と。 聞きたいことはたくさんあったが、びっくりしている間に雄が胎内からぬるりと抜けていった。 「冗談だ」 はっと気付いた時には、股からぼたぼたと垂れた精液が床を汚していた。 拭かなければ、と震える足腰に鞭打っていると、ローからタオルを投げて寄越される。 質の悪い冗談は、よしてほしい。 寒い地域でとれる魚を中心とした懐石料理に、クルーたちの豪快なお腹の音は鳴り止まない。 「ようこそいらっしゃいました。 決して大きな宿ではないので仲居さんも二人しかいないらしく、ご夫婦との4人で20人ほどのクルーたちのお世話に目まぐるしく動き回っている。 きっと普通のお客さんよりだいぶ騒がしいだろうから、少し申し訳ない気持ちを抱えながらも絶品の料理とお酒を堪能した。 ご夫婦の一人娘だという女の子はいつの間にかクルーたちに交じって一緒に遊んでいた。 一般人とは一風変わった面々が多いので、物珍しそうにクルーの顔を眺めている。 特にやっぱりベポはその可愛らしさからお気に入りのようで、膝にちょこんと座って毛に覆われた手足を興味深そうに触っていた。 「ねえ」 当然のようにお猪口を差し出してくるローに仕方なくお酌をしている時に、ふと気になったことを口にした。 「この島…若い人しかいない気がする」 陸から理容室までの道と、理容室から宿までの道で出会った人たち、そしてこの宿のご夫婦と仲居さん。 その中には30から40代の大人も、高齢の人も、誰もいなかった。 全員が子どもか、20代半ばくらいの年齢に見えた。 美味しい魚料理と味わい深い地酒で気分を良くしていたローが、少し真剣な表情になった。 「そうだな」 わざわざローに話したのは、心当たりがないわけではなかったからだ。 船に戻ったら少し資料置き場を漁ってみよう。 そう考えて、私はまた差し出されたお猪口にお酒を注いだ。 20200223.

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私解の文章にしていきます。 大正五年十月一日 古き世の元のみろく様の教えを致さな成らん世が参りて来て、大国常立尊が昔から仕組みた事が開けるのは、分かれて居りた変性男子のみたまと一つに成りて、錦 にしき の機 はた のたとえに致すのは、変性男子の御役は縦 たて の御役で初発から何時になりてもチットも違わせる事の出来ん辛い御用で在るぞよ。 変性女子は機の横の御用であるから、さとくが落ちたり糸が切れたり、いろいろと軸 へ の加減が違うたり致して、何かの事がここまで来るのには、人民では見当の取れん仕組みがしてあるから、はた織る人が織りもってドンナ模様が出来て居るか判らん仕組みであるから、出来上がりてしまわんと、誠の仕組みが判らんから、皆御苦労であるぞよ。 大本神諭は、人民=人に言われ伝えられた神諭ですが、実は神々に言われ教えられてもいるのです。 最初の文章に「古き世の元のみろく様の教え」とありますが、これなどは人にと言うよりは神々に言われているようにおもいます。 霊が変化 へんげ て致さな出来ん、仕組みがしてある故に、えらい心配を皆させたなれど、もう何かの準備が立ちたから、この先はよく判るように成りて来るぞよ。 これ迄に判りたら邪魔が入りて、ものが出来が致さんから、九分九厘までは何もわけては言われん、大事の仕組みであるぞよ。 言わんから判らんなり、判らんから疑うて敵に取りて来るなり、言えば肝腎の仕組みの邪魔になるなり、出来上がらんと天晴れ言うてはならず、辛い仕組みであるから、各自 めんめ に心を磨いたら、神のお蔭は心次第の事をしてやるから、神の心を推量致して、仲良く御用を勤めて下されよ。 程なく実地を始めるから、そう成りたら、守護神も人民もえらい仕組みがしてありたと、皆が申して吃驚を致すなれど、仕上がる迄は知恵でも学でも判りはせんぞよ。 深い仕組みであるぞよ。 筆先を充分読みて世界を見ておると、筆先通りが出て来るなれど、筆先の読みようが足らんと、肝腎の事が判らんぞよ。 大本の仕組みは守護神ではわからんこと、神にも仏事にも人民にも、今度の二度目の世の立て替えの事は、判らんのであるから、我の事さえ判らんような神に、世の立て替えが出来そうな事は無いぞよ。 何もこの方の申す様に素直に致して、ウブに成りて来たら、判るように天地の先祖の神徳 おかげ を貰うてやるから、ドンナ事でも判り出すなれど、外国の性来の守護神に使われて居ると、何時まで何ほど筆先を読みたとて、判りはせんぞよ。 世の元の神国の日本の国の、結構な本 もと の教えで無いと、誠という事が向こうの国には無いから、末代の世は続いて行かんから、今度この大峠を越すのには、向こうの国の性来がチョット混ざりて居りても除去 はぶ くぞよ。 毛筋の横幅ほども混ざりがあると、その悪い霊が先になる程大きいなりて、厭な事を企みて、日本の国の大きな邪魔を致すから、今度の二度目の世の立て替えは、コンナ難しい事は、昔から末代に一度より無い、大望であるぞよ。 日本の国を生粋の世に致して、今までの事はすっくり洗い替えと致すのであるから、一寸でも混ぜりがありたら、そのみたまは日本の国には置かれん規則に定めるぞよ。 昔の天の規則が、新宮本宮の元の宮に、陸 あげ の竜宮の高天原 たかあまはら と相定まりて、この高天原で変性男子に決めさせた規則は、末代用いる規則であるから、これ迄の規則を毛筋も残らんように、水晶に致す世界の大本であるぞよ。 何程頑張りて居りても、きかなきくようにして、規則通りに致すから、一日増しに大本の中が厳しくなるぞよ。 申してあるように、日に増しに神力が強くなる程、この中に居る人が辛くなるぞよ。 神力と学との力比べの大戦いが近うなるから、皆の思いが大間違いと成りて来て、どうしたら良いやら見当が取れんようになるから、男も女も腹帯をしっかりしめて居らんと、こばれんような事があるから、神徳を充分受けて居らんと、チョロコイ肝たまでは大事の時の間に合わんぞよ。 女でも胴の据わりた力のある守護神に使われて居りたならば、天地の先祖が霊 れい を添えてやれば、ドンナ事でも出来もするし、こばれもするなれど、悪い守護神に使われて居ると、チョットでも残りて居りたら、この先の御用は使われんぞよ。 日本の国の仕組みは、昔からみたまを調べて仕組みが致してあるのであるから、日本にはあわては致さんぞよ。 仕組みは誰も敵わん仕組みが致してあるなれど、日本の人民がやまと魂の性来に成りて来んと、今のような事では日本の人民の守護神が外国の性来であるから、神が苦しむばかりであるぞよ。 九分九厘のみたまが、外国に成りて居るが、せめて半分のみたまが、今度のとどめの間に合うみたまに成りて居りてくれたら、天地の先祖が半分の霊を入れ替えを致したら、日本の国が早う良くなるなれど、立て替え致したとこで、悪いみたまの洗濯が大変な大望な事であるぞよ。 みたまの立て替え立て直しは、末代の事であるから、チットも容赦は出来ん、待ったは無いぞよ。 厳しく致すから、神徳 しんとく を充分受けて居らんと、神徳さえありたら、どんな事でも凌 しの げるなれど、今度は神徳を貰うて置かんと辛いぞよ。 神徳を受けるのには、これ迄の人民の心をさっぱり入れ替えを致して、みろく様の御心に成りた人民から良くしてやるぞよ。 この中に居りても、神の永らくの艱難悔しき事を推量致して、どうしたらこの神の苦労の御蔭が開けるじゃろうと、夜寝ても寝られん位に一心でありたら、神徳は何程でもわたすなれど、我は偉いと慢心致して、神を鰹節に致して、我が早う出世を致そうと云うような、見苦しい心の人民は、この結構な高天原へは寄せんように致すぞよ。 これ迄の人民の性来が、外国の性来に成り切りて居るから、思いがさっぱり違うから、ドナイにも改心のさせかけが出来んぞよ。 沓島へ御礼に参るのも、人民は思いが皆違うから、沓島のような淋しき所に、三千年余りも押し込められておいで遊ばした御心は、どういうものでありたと言う事を、汲み取れる精神の人でありたら結構なれど、其処までの事がなかなか汲み取れんぞよ。 今度神島 かみじま へ参るのも、同じ事であるぞよ。 」『大本開祖出口なおの生涯 いり豆の花』 著者出口和明・八幡書店 の694頁「尉と姥の型」より。 旧暦では、9月5日にこの筆先が出ます。 9月8日に開祖一行が神島 地図上では「上島 播磨灘 」 に向かわれます。 そして、「みろくの霊」の筆先が9月9日に出ました。 何も判らずに参りさえすれば、すぐにお蔭があるように思うて、我も私もと申して参りても了見が違うから、あの淋しい所へ永らく落ちて居られた御心のわかるみたまで無いと、誠のお蔭は戴けんぞよ。 今度は天地の大神様の御心の判る守護神に、使われて居らんと、誠が判らんから、天地の先祖の神の心をくみ取って我れの心を改心致すような守護神に使われて居りた肉体でありたら、すぐから良い御用が出来るぞよ。 世界が今のように見苦しい事に成りたのは、元の天地の大神を無いようにしておいて、我れが神で在るというような、悪に心が反りてしもうて、仕たい放題の世の持ち方を致したからであるぞよ。 この先はみろく様と地の先祖とが、一厘の御手伝いをなさる荒神を御苦労に成りて、仏事の守護神が九分九厘であるから、日本の一厘との大戦いで、神力が強いか学力が強いか、負け勝ちがあるから、勝ちた方へ従わすぞよ。 二度目の世の立て替えを致したら、国の取り合いというような事は、モウ致さんから、この世が穏やかに成りて、みろく様の世は、なした良い世であるじゃろうと申して、皆が喜ぶようになるから、神徳を頂いてこの境 さかい の大峠を楽に越さして貰うが結構であるぞよ。 悪のやり方は上から見ては良い世であるから、皆守護神が外国の方へついてしもうて、今の日本の国の見苦しいというものは、実地の元の大神の目からは、目を開けては見る事の出来んように、守護神 たましい を汚すばかりにかかりて居るから、実地の大神の居る所の無いように、えらいことに、ようも汚したものであるぞよ。 永う立て替えにかかりて居りたら、どちらの国も国が潰れるから、始めかけたら、天地の生粋の一厘の元の大神が、昔からの仕組み通りをバタバタと致して、悪の霊は残らんように平らげてしまわんと、天地は生粋に成らんぞよ。 向こうの国の悪神の仕組みで、大きな企みは仕て居るなれど、悪の性来の守護神は、世界中のお土の上を一足も踏むことは、出来んように致すぞよ。 これ迄は他人 ひと の苦労で世を盗みて居りた賊の世で、天地の先祖が拵えた世界を、我れのものに、何処から許しを貰うて、ここまで悪で好き候うに致して来たか。 九分九厘で悪の輪止 りんど まりであるぞよ。 それで大きな思い違いがあると申して、筆先で充分気が付けてあるぞよ。 世に出て居れる方 ほう の、上から下までの神に気が付けてあるぞよ。 この先はやまと魂の性来で、埒よく立て替えを致すぞよ。 「神霊界」大正八年十二月一日号.

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私解の文章にしていきます。 大正五年十月一日 古き世の元のみろく様の教えを致さな成らん世が参りて来て、大国常立尊が昔から仕組みた事が開けるのは、分かれて居りた変性男子のみたまと一つに成りて、錦 にしき の機 はた のたとえに致すのは、変性男子の御役は縦 たて の御役で初発から何時になりてもチットも違わせる事の出来ん辛い御用で在るぞよ。 変性女子は機の横の御用であるから、さとくが落ちたり糸が切れたり、いろいろと軸 へ の加減が違うたり致して、何かの事がここまで来るのには、人民では見当の取れん仕組みがしてあるから、はた織る人が織りもってドンナ模様が出来て居るか判らん仕組みであるから、出来上がりてしまわんと、誠の仕組みが判らんから、皆御苦労であるぞよ。 大本神諭は、人民=人に言われ伝えられた神諭ですが、実は神々に言われ教えられてもいるのです。 最初の文章に「古き世の元のみろく様の教え」とありますが、これなどは人にと言うよりは神々に言われているようにおもいます。 霊が変化 へんげ て致さな出来ん、仕組みがしてある故に、えらい心配を皆させたなれど、もう何かの準備が立ちたから、この先はよく判るように成りて来るぞよ。 これ迄に判りたら邪魔が入りて、ものが出来が致さんから、九分九厘までは何もわけては言われん、大事の仕組みであるぞよ。 言わんから判らんなり、判らんから疑うて敵に取りて来るなり、言えば肝腎の仕組みの邪魔になるなり、出来上がらんと天晴れ言うてはならず、辛い仕組みであるから、各自 めんめ に心を磨いたら、神のお蔭は心次第の事をしてやるから、神の心を推量致して、仲良く御用を勤めて下されよ。 程なく実地を始めるから、そう成りたら、守護神も人民もえらい仕組みがしてありたと、皆が申して吃驚を致すなれど、仕上がる迄は知恵でも学でも判りはせんぞよ。 深い仕組みであるぞよ。 筆先を充分読みて世界を見ておると、筆先通りが出て来るなれど、筆先の読みようが足らんと、肝腎の事が判らんぞよ。 大本の仕組みは守護神ではわからんこと、神にも仏事にも人民にも、今度の二度目の世の立て替えの事は、判らんのであるから、我の事さえ判らんような神に、世の立て替えが出来そうな事は無いぞよ。 何もこの方の申す様に素直に致して、ウブに成りて来たら、判るように天地の先祖の神徳 おかげ を貰うてやるから、ドンナ事でも判り出すなれど、外国の性来の守護神に使われて居ると、何時まで何ほど筆先を読みたとて、判りはせんぞよ。 世の元の神国の日本の国の、結構な本 もと の教えで無いと、誠という事が向こうの国には無いから、末代の世は続いて行かんから、今度この大峠を越すのには、向こうの国の性来がチョット混ざりて居りても除去 はぶ くぞよ。 毛筋の横幅ほども混ざりがあると、その悪い霊が先になる程大きいなりて、厭な事を企みて、日本の国の大きな邪魔を致すから、今度の二度目の世の立て替えは、コンナ難しい事は、昔から末代に一度より無い、大望であるぞよ。 日本の国を生粋の世に致して、今までの事はすっくり洗い替えと致すのであるから、一寸でも混ぜりがありたら、そのみたまは日本の国には置かれん規則に定めるぞよ。 昔の天の規則が、新宮本宮の元の宮に、陸 あげ の竜宮の高天原 たかあまはら と相定まりて、この高天原で変性男子に決めさせた規則は、末代用いる規則であるから、これ迄の規則を毛筋も残らんように、水晶に致す世界の大本であるぞよ。 何程頑張りて居りても、きかなきくようにして、規則通りに致すから、一日増しに大本の中が厳しくなるぞよ。 申してあるように、日に増しに神力が強くなる程、この中に居る人が辛くなるぞよ。 神力と学との力比べの大戦いが近うなるから、皆の思いが大間違いと成りて来て、どうしたら良いやら見当が取れんようになるから、男も女も腹帯をしっかりしめて居らんと、こばれんような事があるから、神徳を充分受けて居らんと、チョロコイ肝たまでは大事の時の間に合わんぞよ。 女でも胴の据わりた力のある守護神に使われて居りたならば、天地の先祖が霊 れい を添えてやれば、ドンナ事でも出来もするし、こばれもするなれど、悪い守護神に使われて居ると、チョットでも残りて居りたら、この先の御用は使われんぞよ。 日本の国の仕組みは、昔からみたまを調べて仕組みが致してあるのであるから、日本にはあわては致さんぞよ。 仕組みは誰も敵わん仕組みが致してあるなれど、日本の人民がやまと魂の性来に成りて来んと、今のような事では日本の人民の守護神が外国の性来であるから、神が苦しむばかりであるぞよ。 九分九厘のみたまが、外国に成りて居るが、せめて半分のみたまが、今度のとどめの間に合うみたまに成りて居りてくれたら、天地の先祖が半分の霊を入れ替えを致したら、日本の国が早う良くなるなれど、立て替え致したとこで、悪いみたまの洗濯が大変な大望な事であるぞよ。 みたまの立て替え立て直しは、末代の事であるから、チットも容赦は出来ん、待ったは無いぞよ。 厳しく致すから、神徳 しんとく を充分受けて居らんと、神徳さえありたら、どんな事でも凌 しの げるなれど、今度は神徳を貰うて置かんと辛いぞよ。 神徳を受けるのには、これ迄の人民の心をさっぱり入れ替えを致して、みろく様の御心に成りた人民から良くしてやるぞよ。 この中に居りても、神の永らくの艱難悔しき事を推量致して、どうしたらこの神の苦労の御蔭が開けるじゃろうと、夜寝ても寝られん位に一心でありたら、神徳は何程でもわたすなれど、我は偉いと慢心致して、神を鰹節に致して、我が早う出世を致そうと云うような、見苦しい心の人民は、この結構な高天原へは寄せんように致すぞよ。 これ迄の人民の性来が、外国の性来に成り切りて居るから、思いがさっぱり違うから、ドナイにも改心のさせかけが出来んぞよ。 沓島へ御礼に参るのも、人民は思いが皆違うから、沓島のような淋しき所に、三千年余りも押し込められておいで遊ばした御心は、どういうものでありたと言う事を、汲み取れる精神の人でありたら結構なれど、其処までの事がなかなか汲み取れんぞよ。 今度神島 かみじま へ参るのも、同じ事であるぞよ。 」『大本開祖出口なおの生涯 いり豆の花』 著者出口和明・八幡書店 の694頁「尉と姥の型」より。 旧暦では、9月5日にこの筆先が出ます。 9月8日に開祖一行が神島 地図上では「上島 播磨灘 」 に向かわれます。 そして、「みろくの霊」の筆先が9月9日に出ました。 何も判らずに参りさえすれば、すぐにお蔭があるように思うて、我も私もと申して参りても了見が違うから、あの淋しい所へ永らく落ちて居られた御心のわかるみたまで無いと、誠のお蔭は戴けんぞよ。 今度は天地の大神様の御心の判る守護神に、使われて居らんと、誠が判らんから、天地の先祖の神の心をくみ取って我れの心を改心致すような守護神に使われて居りた肉体でありたら、すぐから良い御用が出来るぞよ。 世界が今のように見苦しい事に成りたのは、元の天地の大神を無いようにしておいて、我れが神で在るというような、悪に心が反りてしもうて、仕たい放題の世の持ち方を致したからであるぞよ。 この先はみろく様と地の先祖とが、一厘の御手伝いをなさる荒神を御苦労に成りて、仏事の守護神が九分九厘であるから、日本の一厘との大戦いで、神力が強いか学力が強いか、負け勝ちがあるから、勝ちた方へ従わすぞよ。 二度目の世の立て替えを致したら、国の取り合いというような事は、モウ致さんから、この世が穏やかに成りて、みろく様の世は、なした良い世であるじゃろうと申して、皆が喜ぶようになるから、神徳を頂いてこの境 さかい の大峠を楽に越さして貰うが結構であるぞよ。 悪のやり方は上から見ては良い世であるから、皆守護神が外国の方へついてしもうて、今の日本の国の見苦しいというものは、実地の元の大神の目からは、目を開けては見る事の出来んように、守護神 たましい を汚すばかりにかかりて居るから、実地の大神の居る所の無いように、えらいことに、ようも汚したものであるぞよ。 永う立て替えにかかりて居りたら、どちらの国も国が潰れるから、始めかけたら、天地の生粋の一厘の元の大神が、昔からの仕組み通りをバタバタと致して、悪の霊は残らんように平らげてしまわんと、天地は生粋に成らんぞよ。 向こうの国の悪神の仕組みで、大きな企みは仕て居るなれど、悪の性来の守護神は、世界中のお土の上を一足も踏むことは、出来んように致すぞよ。 これ迄は他人 ひと の苦労で世を盗みて居りた賊の世で、天地の先祖が拵えた世界を、我れのものに、何処から許しを貰うて、ここまで悪で好き候うに致して来たか。 九分九厘で悪の輪止 りんど まりであるぞよ。 それで大きな思い違いがあると申して、筆先で充分気が付けてあるぞよ。 世に出て居れる方 ほう の、上から下までの神に気が付けてあるぞよ。 この先はやまと魂の性来で、埒よく立て替えを致すぞよ。 「神霊界」大正八年十二月一日号.

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